お通夜の席で
先日、長く付き合った友人が亡くなりました。
小さいけれど、自分で会社をやっていた人だったので、仕事関係の参列者が圧倒的に多いお通夜でした。
担当した葬儀社も、参列者が多いことを想定しての段取りだったのかとは思いますが、読経が始まるといきなり葬儀社スタッフの指示で参列者の焼香がはじまり、ほぼ5分後にはお清めの席に案内されていました。
当然、スピーディにお焼香を終えた参列者は、どんどんお清めの席に溜まっていきます。
その中で、配膳スタッフがお客様を押しのけるようにして、必死の表情で片付け、新しい席を作っています。
追い立てられるようにして式場を後にしたのは、閉式約15分後で、急逝した友人の死を悼んでいる余裕もない状態でした。
多くの参列者が、どこか次の席(お店)に落ち着いて、思い出話のひとつもするのでしょうが、それにしても、なんとも落ち着かないお通夜でした。
考えてみれば、お通夜はいつの間にこんな簡略化された儀式になってしまったのでしょうか?
ご遺族にお悔やみのひと言も言えず、とても心残りなお通夜でした。