◆今日のQOLが健康人生をつくる
本年も健康について、さまざまな切り口で書きますのでお付き合いください。
新年なので、新聞各紙を取り寄せてみたら、人生100年の備えは今のうちからと、〇のためのサプリメントや〇歳からでも入れるがん保険などの広告宣伝で満載です。
不安を煽られて、違和感や疲労感を感じるのは私だけではないと思います。そりゃ大変な時代に突入しているのは間違いないでしょうが、あわてる必要はありません。
押し寄せてくる情報から、必要なものだけを取捨選択し、それを編集して、自分のQOL(人生の質)に役立てればいいのです。
QOLの基本は「朝スッキリ目覚めて、夜満ち足りた気持ちで眠りにつく」です。100年も1日1日の積み重ねの結果です。長い視野で人生を考えることはもちろん大事ですが、将来の漠然とした不安などに縛られず、今日を大切に生きることが重要だと思います。
(1) 呼吸
吐(呼)いて吸うのが基本です。吸う時には交感神経が働いて興奮や緊張につながるのに対して、吐く時には副交感神経が働いてリラックスにつながります。「口から深くゆっくり吐いて鼻から自然に吸う」呼吸をすると、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンが脳内に分泌されて、ストレスやイライラが取り除かれ、QOLを高めるのです。
(2) 睡眠
6時間睡眠は7時間睡眠に比べて、脳の老化が2倍のスピードで進み、それにつれて認知機能も衰えていくという研究結果が出ています。たかが1時間の違いと思うかもしれませんが、予防医学の知見では、日々の積み重ねで決定的に大きな違いとなっていくことが分かっています。「7時間睡眠を確保する」ことがQOLを高めるのです。
(3)食事
テニスのジョコビッチが著書「ジョコビッチの生まれ変わる食事」で強調しているように、一流のスポーツ選手は血糖値を重視します。欧米の一流企業では「血糖値をコントロールすることは企業人としての基本である」と考えます。血糖値を制することがQOLを高めるのです。
私たちにとって最も怖いのは認知症(別名「脳の糖尿病」とも言われる)と糖尿病です。53歳で糖尿病を宣告され、食事と運動で克服してきた医師の体験談が話題です。
著書「糖尿病は薬なしで治せる」(渡邊昌 医学博士)の出版社に、全国の医者からは「どうしてこんな本を出したのか」と抗議の電話が、一般の人からは「こんな方法があったのか」と感謝の便りが寄せられました。クローズドな医療の世界を象徴するような現象です。
この本の内容は次回紹介しますが、「なぜ生活習慣病になるのか」「なぜ栄養学が必要なのか」の基礎知識を持つことはQOLには必須だと実感します。