◆PPKを実現する7つの要点(2/3)
私たち戦後世代は、「今までとはまるで違う健康意識、まったく新しい考え方を持たなければ人生をまっとうできない」という時代環境に置かれています。
私たちより上の、戦前・戦中世代であってもPPK(ピンピンコロリ)はたった1割、準PPKを入れても2割というのが現実です。
PPKを望むのであれば、新たな戦略を持って、健康寿命=「体と脳の耐久年数」(現在の平均:70歳台前半)を飛躍的に伸ばさなければなりません。
それは人類にとって「未知への挑戦」ですが、その当事者は私たちです。自分自身で対処していくしかありません。
PPK実現の新戦略を考えるため、前回、「体の仕組みと新陳代謝の関係」「栄養素が果たす4つの役割「生活習慣病が増える理由」の図を使いました。
4枚目は「制度の落とし穴+現代医学の弱点」です。なぜ私たちは、ドミノの1枚目を倒してしまうのか? その理由を知ってください。
未病は放っておけば、いずれ基準値をオーバーして病気になります。なんだか医療機関は病気になるのを待っているかのようです。それでも治してくれるのであれば良いのですが、実はそうではないのが現実です。進化した現代医学も生活習慣病は苦手なのです。
生活習慣病にならない決め手は「未病から健康状態に戻す。そして健康を守っていく」ことです。自分の習慣が招く生活習慣病は、自分で習慣を変えるしかなく、現代医学も自在にコントロールできません。
見習うべきは、欧米先進国の動きです。特定栄養素不足が生活習慣病を招くことが判明し、栄養学とサプリメントを強化してきました。国は「サプリメントで自己防衛する」ことを推奨し、国民は「サプリメントを選ぶ知識」を身に付けます。
「You are what you eat.(食べたものが君になる)」「体の一部になってもいいものを食べなさい」と教える民族の真骨頂です。
続いて、5枚目のタイトルは「“さらに”長生きリスク出現」です。私たちの前に立ちはだかる見えない壁です。
この壁を突破するためには、まず、自分の寿命に対する意識を変えることです。あなたが「
85歳ぐらいまで生きられたらいいな」と思っていたら、とんでもないです。あまりにも長くつらい日々を過ごすことになりかねません。
というのも、あなたが45歳であれば、85歳になるのは40年後の2057年です。
以前、NHK特集〈NEXT WORLD 私たちの未来〉で「先進国の寿命は1日5時間伸びている。2045年に百歳になるだろう」と放映されましたが、2057年には人生百歳時代が到来していることでしょう。
最近話題の「健康寿命」という言葉は20年前にはありません。WHO(世界保健機関)が提唱したのが2000年です。第二次世界大戦後の復興と共に、先進国に寿命革命が起こり、人生50年があっという間に80年になりました。あまりに急速に伸びたので、寿命の中身を検証する意味で、健康寿命という新しい考え方が生まれたのです。
厚労省のデータでは、高齢者の仲間に入った65歳の女性は、2人に1人が90歳を超え、4人に1人が95歳を超えます。ところが、長生きには功・罪という二つの顔があります。ギフト(功)の顔とリスク(罪)の顔です。
人生百歳に向かっている私たち戦後世代が、長生きをギフトにするためには、「未病から健康状態に戻す。そして健康を守っていく」ことにプラスして、「健康寿命を“飛躍的に”伸ばす」ための新戦略が不可欠です。それが、WHOも推奨する「セルフケア」(セルフメディケーション)なのです。
次回はセルフケアの方法について、3/3(最終回)です。