◆たんぱく質を壊し、病気を引き起こす “糖化”

 老化現象には、「止められない生理的老化」(Pysiological Aging)と「止められる病的老化」(Pathological Aging)の2種類あります。病的老化は止めるべき対象で、その代表が “糖化” です。そして糖化を生じさせている原因が “血糖値スパイクを繰り返す生活” なのです。

この血糖値スパイクによる糖化が、糖尿病の合併症だけでなく、近年急増している認知症やがん、うつや骨粗しょう症など、さまざまな病気を引き起こしていることが分かってきました。

 

糖化とは、体内で、体と脳のエネルギー源になる『糖』が、たんぱく質の表面にベタベタとくっつくこと。この糖化によって、体と脳の組織を作っている『たんぱく質』が薄っすら焦げた状態になり、機能が徐々に劣化していきます。

そして血管の中で、糖化が進んでいくと、最終的には “AGE”(終末糖化産物)という病的老化物質が生まれます。このAGEが血液を通して全身にばらまかれ、その結果、体じゅうのあちらこちらで、病気が発症するのです。

 

私たちの体の約70%は水分ですが、その次に多いのが20%のたんぱく質。血管や皮膚、筋肉や内臓、ホルモンやヘモグロビン、病気の免疫抗体も、たんぱく質でできています。

脳も4割はたんぱく質でできていて、脳を働かせる神経細胞や神経繊維の主成分もたんぱく質です。骨も、たんぱく質の線維で骨組みが作られ、そこにカルシウムが付着してできています。

 

私たちの体は、たんぱく質でできているといっても過言ではありませんが、そこに病的老化物質のAGEが忍び込みます。皮膚でしみ・たるみを、骨で骨粗しょう症を起こします。

心臓や脳の血管に蓄積して、詰まらせたり切れさせて心臓病や脳卒中を、脳に蓄積して老人斑のシミを作ったり、脳細胞を壊して認知症を引き起こします。

また糖尿病になって、「どうってことはないな」と高をくくっていても、AGEが細い血管の張り巡らされている目や腎臓、神経にまで入り込んでいくと、人工透析・失明・えそといった合併症になってしまいます。
大事なことは、次の二つです。

 

1.たとえ糖尿病になっても、合併症へ進行させない
合併症は怖い! 人工透析をしても生存年数は平均5年です。

2.「糖尿病でなければ問題なし」という固定観念を捨てる
糖尿病になっていなくても、AGEが認知症、がん・心臓病・脳卒中、うつ・パニック障害、骨粗しょう症・関節症、白内障・EDなど、さまざまな現代的病気を引き起こします。

 

冒頭に書いたように、AGEを発生させる糖化を生む出す元凶が “血糖値スパイク” です。合併症へ進行させない、さまざまな病気を引き起こさないためには、何よりも日々の生活で血糖値スパイクを起こさないことが最も大事なのです。

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