◆「健康寿命+20年」というとんでもない課題

ほんの70年前までは、人生はせいぜい50年でした。「人間50年、下天のうちを比ぶれば夢幻の如くなり」と織田信長が謡った、はるか昔から、人生50年と言われてきました。

 

それが突然、戦後の高度成長と共に、あっという間に人生70年になり、それから80年、90年に。今では人生100年です。

 

高校では、「皆さんがお年寄りになる頃には100歳まで生きるのが当たり前になっているでしょう」と教えられます。まさに、人生100年時代はスタートしているのです。

 

ところが、急速に大きく伸びた平均寿命に、肝心の健康寿命が追い付いていません。これが日本人にどれほどの不幸をもたらしていることか・・・。

 

健康寿命は、WHO(世界保健機関)が2000年に提唱した新しい考え方で、「医療や介助の必要がなく生活できる期間」のこと。ただ生き長らえるのではなく、健康に生産的に長生きしてこそ意味があるということを基本にしています。

 

この健康寿命と平均寿命の「差」が「医療・介助の期間」。現在の健康寿命は、ざっくり75歳(女性74.8歳、男性72.1歳)なので、現40代・50代が95歳まで生きるとすれば、その差=医療・介助の期間は20年となります。

 

健康寿命を伸ばさなければ、人生のラスト20年を、誰かに面倒を見てもらいながら過ごさなければならない。これでは決して、幸福な人生とは言えない。それに面倒を見る側にとっては、たまったものではありません。

 

「健康寿命を20年伸ばす」のは、とてつもなく大きな課題ですが、誰もここから逃れることはできない。しかも、自分で解決しなければならない。その理由は3つです。

 

(1)医者や薬は伸ばしてくれない
健康寿命をはばむ代表が、がん・心臓病・脳卒中(3大疾病)と認知症。これらの生活習慣病は、一旦発症すると、治療で進行を抑えることはできても、もう元の状態には戻せない。健康寿命を伸ばすためには、生活習慣病を予防するしかない。

 

(※それに医者だって自分の健康寿命を伸ばすのに四苦八苦しているのが現実です)

 

(2)自分の意識と行動が予防を実現する
生活習慣病は、言葉が示すように、「生活習慣」が引き起こす「病」。そして生活習慣は自分でしか変えられない。しかも自覚症状がなく、突然発症するという厄介な存在。日本人は生活習慣病の怖さにうといため、生活習慣を変えて、予防する(「予」め「防」ぐ)という意識が低い。

 

(3)コロリと簡単には死ねない
「認知症や寝たきりになってまで、長生きしたくない」と思っている人は多いが、簡単には死ねない。医療技術が発達した現代では、あらゆる延命措置がとられるため、「もういいです。死なせてください」というわけにはいかない。

 

ではどうやって、「健康寿命+20年」というとんでもない課題を解決すればいいのか?

 

その一つに、健康寿命を積立てる「健康貯金」という方法があります。5月23日の『60歳からのプレミアムタイム』でも採り上げていますが、40代や50代から、コツコツ貯める。長期戦略で、健康貯金をして、「健康寿命+20年」を実現するのです。

 

次回は、健康貯金を実行するに当たってのポイントについて。

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