◆血糖値スパイクが引き起こす認知症

私たちにとって、きわめて深刻な問題になっている病気が認知症です。

 

認知症とは、「後天的な脳の障害によって、いったん正常に発達した知能が低下した状態」と定義されています。以前は “痴呆” と呼ばれていましたが、差別や軽蔑の意味を含んでいるという意見があり、また実際に不快を感じる人が多いことから、厚労省の通達によって2004年に “認知症” と改められました。

 

認知症には、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などがありますが、その半分以上はアルツハイマー型認知症です。

 

認知症は、MCI(Mild Cognitive Imparimanet、軽度認知障害)と呼ばれる状態を経過して完成されますが、MCIの段階であれば、回復可能とされています。しかし一度認知症まで進行してしまうと、もはや正常に戻すことは不可能とされています。

 

そして、認知症の症状を劇的に改善する医薬品は未だ開発されていません。2013年に開催された認知症サミットでも、認知症の治療薬には限界があるので、積極的に予防するしかないと結論づけています。

 

また、認知症が完成するまでには、以前は10年ほどかかると言われてきましたが、現在では20年以上かかると考えられています。このためできるだけ早くから積極的に予防し、MCIにならない、もしMCIになったらいち早く正常に戻すことの重要性を強調しています。

 

認知症の原因は糖尿病を筆頭に、動脈硬化・慢性炎症・肥満・運動不足・有害金属・医薬品などが指摘されていますが、最新の研究で「血糖値スパイクを繰り返す生活」が最大の原因であることが分かってきました。

 

血糖値スパイクによる “糖化” で、「脳が糖尿病の状態になってしまう」のです。このため認知症は、別名 “3型糖尿病” と呼ばれるようになりました。

 

ところが、この血糖値スパイクは、通常の健診や人間ドックでは分かりません。健診や人間ドックは空腹時に測定するので、その結果が正常な人でも、食後高血糖、つまり血糖値スパイクを起こしている人が多いのが実態です。

 

以上のことから、次の2点が重要であることが分かってきました。

 

1.40代・50代から積極的に血糖値スパイクを抑える
血糖値スパイクを繰り返す生活を20年以上続けると、MCIの段階を経て、認知症になってしまいます。そして認知症になる時期が75歳前後に多いという現状を考えれば、40代・50代から積極的に血糖値スパイクを抑えることが重要です。

 

2.健診や人間ドックで高血糖と判定されるとヤバい!
糖質を含んだものを食べたり飲んだりすると誰もが血糖値がある程度上昇しますが、そうではない空腹時に測定して、「あなたは高血糖です」と判定されたら、それはかなり危険な段階です。糖尿病の直前か、合併症の人工透析に一直線に向かっているか、MCIに足を突っ込んでいると考えたほうがいいということです。

 

人生後半戦を迎える48歳の桑寿からは、積極的にMCIを予防する。そのためにも血糖値スパイクを抑える生活をすることが重要なのです。

 

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