◆膵臓(すいぞう)がんを考える

週刊新潮3月22日号が、「増加の一途! 10年生存率5% 膵臓がんを生き抜く術」という特集を組んでいます。サブタイトルは、「 星野仙一(享年70歳)、千代の富士(61歳)、坂東三津五郎(59歳)の命を奪ったがんの王様」です。

 

がんで年間37万人亡くなっていますが、近年増加しているのが膵臓がん。女性は「気管支および肺」「大腸」「膵臓」「胃」「乳房」の順で3位、男性は「気管支および肺」「胃」「肝臓」「大腸」「膵臓」の順で5位と、上位に食い込んできています。

 

膵臓がんは、他のがんと比べても極端に生存率が低いので、別名「がんの王様」と呼ばれています。10年生存率は、胃がんと大腸がんが7割近いのに、膵臓がんはわずか5%。ステージ4になると0.3%にまで落ちます。自覚症状がほとんどなく、病院で見つかった時は手遅れというケースが後を絶たないのです。

 

ではなぜ、膵臓がんがこんなに増えているのでしょうか?

 

まず、膵臓の役目を押さえておきます。それは、大きく2つです。

1.インスリンという血糖値をコントロールするホルモンを分泌する。
2.膵液と呼ばれる消化液を作り出す。

 

このように膵臓は「血糖値コントロール」と「消化」いう非常に重要な役目を担っている臓器なのですが、この膵臓を弱らせるのが糖です。

 

私たち現代人は知らず知らずのうちに、角砂糖40個分の糖を毎日体内に入れているのですが、基礎代謝が落ちてくる中年になると糖をエネルギーに転換し切れず、そのため糖尿病や内臓肥満になってしまい、それが膵臓がんも引き起こしているのです。

 

週刊新潮も指摘していますが、膵臓がんの危険項目は以下の8つです。

 

 

上記のうち、膵嚢胞(すいのうほう)は、体液が溜まった袋状の病変が膵臓の中にできること。膵炎(すいえん)は、膵臓に炎症ができて、みぞおちあたりに腹痛が起きること。

 

でも一番気を付けるべきなのは、糖尿病と内臓肥満です。その前段階の「隠れ高血糖」と「隠れ内臓肥満」が40代以上に静かに広まっていて、インスリンを浪費させ、膵臓を弱らせているのですが、この実態を知り、その対策を講じることが何よりも大切なのです。

 

それに内臓肥満は、男性特有のものではありません。女性も中年になって下っ腹がポッコリ出てくるのは、糖をエネルギーに変換するインスリンの分泌量が減ってきて、残った糖が中性脂肪に形を変えて下っ腹に溜まっていくからです。単なる肥満ではないのです。

 

そして私たちの体内には、毎日5000個レベルのがん細胞が発生しています。それを免疫細胞が退治してくれるのですが、中年にもなると、免疫細胞の力が弱ってくるし、しかも、がん細胞が増殖するためのエサは糖だけ。この事実を押さえておくべきだと思うのです。

女性では膵臓がんが3番目に上がってきているのも現実です。膵臓を弱らせず、最後まで大切に長く使っていくことが、長寿時代を生き抜くうえでの基本の「基」。そのためには、血糖値を抑制しなければいけない。それが私たち40代以上の最新の課題なのです。

 

「血糖値を制する」ことの重要性がますます高まっているのを感じています。

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