◆最大リスク、血糖値スパイクを防ぐ
健康寿命の足を引っ張っているのが、「がん・心臓病・脳卒中」の三大生活習慣病と、近年急増している「認知症」です。幸いにも最新科学が、「国民病」となったこれらの病気の根本原因を突き止めています。
それが “血糖値スパイク” を繰り返す生活です。食後血糖値がスパイクシューズの針のように、尖って急上昇すると、血管を痛めつけ、脳や体の細胞を破壊し、糖尿病とは異なる、一見血糖値とは無関係に思えるさまざまな病気を引き起こすことを解明しています。
引き起こす病気の代表が、現代の国民病となっている、がん、心臓病、脳卒中、認知症なのです。そして、この “血糖値スパイク” を起こす原因は下記の通りです。
病気は社会環境が生み出すといわれますが、血糖値スパイクはまさに現代の社会環境そのもの。そのため、年代や性別に関係なく、肥満でない若い男性もスリムな女性も、誰もが起こしてしまうのです。
この血糖値スパイクを起こす原因として、ダントツで一番なのは、「糖と脂たっぷりの生活」です。
糖は、1日120g(角砂糖40個分)、1食40g (13.3個分)以内にするのが良いのですが、私たちは1日に角砂糖50個分(150g)以上、昼食に平均20個分(60g)の糖をとっています。例えば、チャーハンで22.7個分、かつ丼で36.4個分。ヘルシーだと思っている、ざるそばでも16.8個分です。
さらに血糖値を急上昇させるのが、液体なので一気に吸収される、エナジードリンクや野菜ジュースです。健康に良いと思って飲んでも、また冷たいので多く飲んでしまい、そのたびに、血糖値スパイクを起こしてしまいます。
それに余分にとった糖は体内で脂肪になって、内臓脂肪として溜まっていきます。こうして“ポッコリお腹” になると、内臓脂肪から悪玉物質を出して、血糖値スパイクを悪化させます。つまり、糖と脂が血糖値スパイクを起こす元凶です。
他にも、睡眠不足や精神的ストレス、ダイエットによる筋肉の減少、座りっぱなしの生活スタイルがありますが、やはり最大の原因は「糖と脂」です。つまり、「糖と脂を制し、血糖値スパイクを抑える 」ことが最大の鍵なのです。 「一点突破、全面展開」です。
古くは孫子の兵法にあり、現代ではビジネスにおけるランチェスター戦略のキーワードとなっている言葉です。あれこれ中途半端に手を出すよりも、一つのことに集中した方が成果が上がりやすい。そして、うまくいった一つをきっかけに、他の原因にも展開していくのです。
でも、糖を1食40g以下にするのはとても難しい。どうすれば、「ストイックになり過ぎず、食生活を楽しみたい」と「糖・脂を制して、血糖値スパイクを抑える」を両立させられるのか。これが、私たち現代人の課題です。