■人生の方向性を定める
―― 「60歳からのプレミアムタイム」も30回を超えました。今回は、当ブログの原点に立ち返り、主たる対象者の「45歳から60歳の人たち」へのメッセージです ――
日本を大胆に作り変える必要性に迫られ、国は「人生100年時代構想会議」を立ち上げています。その看板政策として「人づくり革命」を掲げ、「労働生産性の向上」と「女性や高齢者の活用」に力を入れます。
超高齢化と少子化による労働人口の減少に対応して、国を存続させるには、(1)一人当たりの生産性を上げる。(2)労働人口を掘り起こし活用することが不可欠なのです。
(1)については、働き手の学び直しを生産性向上につなげるため、リカレント教育を後押しする方針です。(2)については、定年をまず65歳に引き上げる流れを作ろうとしています。
いずれ定年フリーとし、「働ける限り働き、社会に貢献する」という新しい価値観を醸成して、人生100年時代に見合う社会に作り変えていく考えです。
その背景には、年金受給開始を70歳、75歳にするとか、長く働ける体を奨励することで国民医療費を削減するとか、財政面の目論見もあります。
私たちにとって大事なのは、政府や役人が考える制度や価値観を先取りし、たくましく生き残っていくことです。仕事や人生に対する向き合い方や意識を変革し、これからの人生の方向性を定めることです。
そしてその中で最も悩ましい状況に置かれているのが、現役年長組の45歳から60歳の人たちです。もはや出世レースは終わっているのに、幻想を抱いてもがき苦しんでいる人も多いという切ない現実もあります。
でも大多数は遅かれ早かれ、どこかで下りることになります。となると、いつまでも執着するのではなく、下りる世界で自分の居場所と生きがいを見出していくことです。そうすると次のステージへと確実につながります。
下りるという考え方やスキルを身に付ければ、次に上がりたい山が見えてきます。70歳、75歳まで働く時代のフロントランナーとして、先行モデルになるという意識を持って、これからの人生に挑んでいく姿勢が大切です。
前の世代の現状を図にまとめてみました。
70代以上(戦前・戦中世代)、60代リタイア(戦後世代)、それぞれの世代の人生モデルが時代とのギャップを起こしています。参考になるかと思います。
人生の方向性を定めれば、これから仲間となる人たちが見えるだろうし、メンターや人生の師となって欲しい人も見てくるはずです。大事なことは、長い視点で自分の道を今考えることです。そして、そこに向かって元氣よく邁進することです。