■仕事の合間にリフレッシュする

私たちは毎日約2万回呼吸しています。空気を吸い込み、そこから酸素を取り入れ、老廃物の二酸化炭素を吐き出すことを繰り返し、呼吸と共に生きているわけです。そのため呼吸を味方につけるのも人生を生き抜く戦略の一つなのです。

それに、ストレスを抱えたり、緊張の多い職場では、呼吸が浅くなりがちです。浅い呼吸では空気を肺全体に行き渡らせられず、新しい空気に入れ替えられないので、新陳代謝が落ちて、本来持っている免疫機能も抑えられてしまいます。

そのため1日に数回、肺全体の空気を入れ替えて、自分の中をリフレッシュすることが大事です。そして呼吸は「呼(は)いて吸う」と書くように、まず「ハァー」と吐き出して、そのあと自然に吸うのが本来のリズムだということを知っておいてください。

また、「生涯の呼吸回数は決まっていて、長い呼吸で回数が少ないと長い年数を生きられる」という説もあるように、「長い息」は長生きに通じるのかもしれません。

そこで多忙なビジネスパーソンにお勧めなのが、椅子に座ったままできる「腹式呼吸」です。「吐いて吸う」という呼吸の原理で、長い息をします。同時に「嫌なこと」「言わないで溜めていること」「気になること」も吐き出してしまうのはいかがでしょうか。

私たちは通常1分間に15回程度(1回4秒)呼吸します。その4倍の長さで、「吐いて8秒、吸って4秒、止めて4秒」(1回16秒)のペースで行います。この8・4・4(計16秒)セットを数回行って肺全体の空気を入れ替えると随分リフレッシュできます。

(1) 準備

椅子に浅く座り、片手を胸に、もう一方の手をみぞおち(親指がおへそにかかるくらい)に置いて、背筋を伸ばします。

(2) 吐く

口から「ハァー」と息を吐きながら1・2・3・4・5・6・7・8とカウントして、上体を90度倒していくと、自然と吐き出し切ることができます。

(3) 吸う

次は、鼻から「フゥー」と空気を吸い込みながら1・2・3・4と、倒した時の倍のスピードで上体を起こしていくと、自然とお腹が膨らんでいきます。

(4) 止める

元の姿勢に戻ったら、1・2・3・4と背筋を伸ばし、軽く息を止めたまま、ゆったりした呼吸のリズムを体感して、1回の呼吸を終えます。

※これを数回繰り返します。たとえ10回やっても3分程度です。

【参考】

呼吸には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の2種類があり、普段起きている時は胸式呼吸が多いのですが、寝ている時は自然と腹式呼吸になっています。

〇胸式呼吸・・・胸の筋肉を使って一度に多くの空気を吸い込めますが、周りの肩や首、喉にも力が入ってこれらの筋肉を緊張させ、交換神経も刺激します。

〇腹式呼吸・・・腹部の横隔膜だけを使うので、他の筋肉を緊張させず、副交感神経も優位になるので「ストレスを軽くする」「自律神経を整える」ことが期待できます。同時にインナーマッスルも鍛えられて「お腹周りが引き締まる」「代謝がアップする」「声量が増す」ことも期待できます。

PS:長く座るのは良くないので、時々立ち上がります。その際、お尻をキュっ!と締めるのもお勧めです。背筋も伸び上がり、理想の体型に近づけるかもしれません。

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