■独創的な大人の遊びを楽しもう
将棋棋士の藤井聡太四段(14)、卓球の張本智和選手(13)、飛び込みの金戸凛選手(14)、ミュージッシャンのLi-sa-Xさん(12)など、スーパー中学生が大活躍しています。しかも、普段は学校に通い、宿題やテストもこなしながらです。学業との「両利き」です。
中高年だって同じです。好きなこと、やりたいことを見つけ、夢中になって取組めば、新たな才能が開花します。長期化するキャリア人生を考える上で、両利きがキーワードになってきました。
なぜ、両利きが強みになるのでしょうか?
世の中が、白か黒か、右か左か、男性か女性か、高齢者か若手かという二項対立でなく、その統合や第三の道を求めているからです。
名脇役を演じる中高年世代と主役に抜擢される若手世代。創業者の起業力と組織人のマネジメント力。社会のためという貢献心と個人の野心。公の課題を担う民のやりがい…。数え上げたらきりがありません。
45歳から60歳のビジネスパーソンにとって、自分の中の一個人と組織人を良好な関係にすること、やりたいことと現実の仕事のマッチングも意識し、利き腕以外の腕を磨くことが大切になっています。
そこで必要なのが、前回書いた『学び直し』です。今回は、「課外授業科」の事例を2つ挙げます。
1. 考案した1DAYイベントを仲間と満喫
毎年、5月の最終日曜日、上智大OBの総会とオールソフィアン集いが四谷キャンパスで開催されます。卒業15年目・25年目・50年目の人たちは、銅・銀・金として祝されます。
その前日、1979年経営科卒の男女10名以上が、全国から結集します。この幹事役が正道君です。目的は、「毎年1回は、同じ教室の仲間と時間を過ごしたい」と「名幹事が企画したイベントを楽しみたい」です。
昼の部は、話題アニメの聖地巡礼と老舗中華で舌鼓、穴子寿司を頬張って日本橋周遊クルーズ、ユーミン聴いてフリーウェイ疾走と武蔵野ブルワリー、スカイツリーでビール世界巡りと食品サンプル制作、ミュージカル観劇と東京湾ランチ、雷おこし作り体験と浅草ロック散策…。毎年工夫されたイベントが続きます。夜の部は、飲み放題の晩餐会。
仲間をいわば顧客と思って、企画し実行する。奥様と下見を楽しみます。彼の遊び方も、彼の企画に丸乗りする仲間もあっぱれです。
2. 自分たちが欲しいものを自前で制作
「既存のものでは満足できない。こんなものがあったらいいな」というものを自分たちで制作したい――専門家とチームビルディングして実現したのが、DR.パワベジです。
元氣人倶楽部の食効研究所が、大学・医療機関・栽培者・製造工場と協働で、「企画開発、栽培、製造、流通」までを一貫して手掛けます。
医療機関の患者向けに、メタボリックシンドローム改善用として提供してきましたが、未病段階で対処することの重要性を認識し、昨年から、セルフフケアしたい個人向けにも販売を開始。医療機関で扱っている関係上、ドラッグストア等では販売していません。
共通目的を持つ、一緒に考える、素朴な疑問を出す、好奇心を刺激し合う、協働で制作する、常にレベルアップを意識する――仲間とのコラボは楽しいです。知らず知らずのうちに、自己肯定感や自己実現力が醸成されます。
これも、独創的な大人の遊びです。