■人生の転換期を楽しむ
厚労省の人口動態統計を見ると、2015年に老衰で亡くなったのは8万4810人で、死亡総数に占める割合は6.6%です。いわゆるピンピンコロリは、100人のうち7人です。
100歳以上が6万6千人(88%が女性)いますが、その中には多くの寝たきりのお年寄りが含まれています。いくら長生きでもやはり健康でなければ意味がありません。健康で長生きして自分の好きなことができるなら、それ以上の幸せはありません。
しかし45歳を過ぎる頃から、健康格差が大きくなり、「若々しい人」と「老化の早い人」に分かれていきます。仕事人生もプライベートも、体と脳の状態も、転換期に当たるため、ストレスや不安も多く、心身共に根っこのところから崩れやすいのです。まさに45から60歳までの時期が、後半人生の足固め期です。ビル建築で言えば、基礎工事の時期なのです。
人生のゴールを迎えて、「良く生きた。悔いはない」と言えるためには、この時期に、習慣をフルモデルチェンジすることがポイントです。「老け込ませる習慣」に陥るのではなく、「若さを保ち続ける習慣」にチェンジし、実年齢の8掛けの状態を目指します。
食習慣・思考習慣・行動習慣のサイクルを回し、細胞レベルで脳と体を活力化し、人生を作っていきます。
1. 食習慣
栄養吸収力は20代をピークに、40代を過ぎると半減します。そのため十分栄養を摂ったつもりでも、半分ぐらいしか身に付きません。細胞を作り替える新陳代謝力もガクンと落ちます。
それに、美味しく安く早い牛丼・ラーメンやコンビニ弁当・ファーストフード、調理が簡単で日持ちする冷凍食品や加工食品では、新陳代謝に欠かせないミネラルと酵素が圧倒的に不足します。
そこで、健康を作る『一汁三菜の和食』と現実の食生活とのギャップをサプリメントで解消します。「不足する栄養素が網羅されているか」「それは天然の栄養素か」を見抜いてください。健康リテラシーも身に付きます。
ギャップを埋める手立てを講じた上で、日々の食事を楽しんでください。粗食や菜食主義、無理なダイエットは老化を加速します。後半人生では、ステーキやイタリアン、天ぷらや鰻、季節の刺身を存分に味わいます。
2.思考習慣
食習慣で健康の基礎を手に入れたら、次は資金計画と人間関係です。45歳からの働き方を再設計し、長く働けるスキルと思考を身に付けていきます。仕事も人生も楽しむことが基本姿勢です。
年金生活では、収入と支出のギャップがMIN5万円あるといいます。5万円+αを長く稼ぐためにはどうすればいいかを考えます。
まずパートナーとの関係、そして家族との関係を再構築します。その上で、新しい友人・知人を作っていきます。後半人生において、新しい人間関係を構築する力は素晴らしいパワーを発揮します。
3. 行動習慣
最後までボケず・寝こまず、自分の身の回りのことは自分でやります。周りの人や社会に迷惑を掛けない。医療介護費の削減にもつながり、このこと自体が社会貢献です。
そして、「年齢を重ねることは愉しいことなんだ」という姿を後進に見せます。最後まで人生を満喫し、その足跡を残すことが、人としての大きな役割です。
5万円+αを長く稼ぐこと、新しい仲間との交流を広げることが、人生に幅と奥行きをもたらしてくれます。