■経産省若手レポートを読む

「昭和の人生モデルでは、人生は全うできない」「昭和の社会システムでは、日本は立ち行かない」この問題意識で、経済産業省20代・30代の若手30人が有志で、世の中に問いかけるプロジェクトを立ち上げ、議論重ねてきたとか。

 

このたび発表した、『不安な個人、立ちすくむ国家』–モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか(平成29年5月)というレポートが話題です。所管の分野だけでなく、他の省庁にも関わる内容です。

  レポートが切り込んだのは、「正社員になり定年まで勤め上げるサラリーマン」「結婚し、出産して、添い遂げる専業主婦」「定年後、共に年金暮らし」という昭和の人生モデルは時代遅れということです。

個人の人生にとって、問題点は2つ。

1.60代半ばで、社会とのつながりが急速に失われる。居場所のない定年後、誰がそんな「第二の人生」を望んでいるだろうか?

男性の多くは地域との関わりが薄く、定年後は地元に仲間はいません。朝起きて行くところもなく、テレビの前でゴロゴロ。たまに出かけるのは、犬の散歩かフィットネスクラブくらい。フィットネスも、そこで仲間ができないと続きません。

 

2.70代半ばから、医療・介助の生活になっていく。望んだものと違う人生が待っている。そんな「人生の終盤」を望んでいるだろうか?

  健康寿命が75歳です。そのため、一人当たりの医療費は、男性の場合、70代前半に年間70万円超、70代後半に80万円超、80代前半に100万円突破。別途、介護費も。

今年から800万人の団塊世代が70代に入ります。医療・介護費の総額は膨れ上がります。これでは、日本社会は持ちません。

 

レポートは、この課題の解決策として、3つのことを提言しています。

 (1) 人生100年に合わせ、生き方と価値観を転換する。

(2) スキルと思考を磨き続けて、働ける限り働く。

(3) 健康寿命を伸ばし、医療・介護費を極力使わない。

個人は人生の大変革を、国は社会システムの大変革を、と迫ります。

 

ところが、「日本は高齢化のフロントランナー。これを解決するのが日本に課せられた歴史的使命であり、挑戦しがいのある課題。日本社会が思い切った決断をし、変わって見せることが国際社会への貢献につながる」と述べ、さあ、これから具体的な政策提言というところで終わっています。

どうやら、結論ページが何枚かあったようです。削除したのは、刺激が強すぎる内容だったのかもしれません。

 

 

 

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