■人生のリスク「認知症」を防御!
昭和の時代では「歌は世につれ、世は歌につれ」と言われ、多くの人が知っている国民的な歌がありましたが、今では「病は世につれ、世は病につれ」になり、 “がん” と “認知症” が国民的な病となっています。
最も怖いのは、MCI(軽度認知障害)を経て認知症になること ――なってしまったら治せないからです。そして厚労省は、団塊世代が75歳になる2025年には、「65歳以上の3人に1人がMCI/認知症、その数は1300万人超」と発表しています。
MCI/認知症が人生最大のリスクであり、これを未然に防いでいくことが、人生をリスクマネジメントする “要(かなめ)” なのです。
なぜこんなにもMCI/認知症になってしまうのか? ここに至ったら、「運が悪かった」「でも病院に行けば何とかしてくれる」といった昔ながらの考え方は通用しません。
MCI/認知症が急増している原因の上位3つは以下の通りです。
原因1.「人生の期間が長くなった」ため
■MCIは60代から目立ち始め、認知症は75歳を超えてから急増しますが、昭和の人生70年時代では認知症を発症する前に亡くなっていました。寿命が急伸するのに伴って急増し、2004年に痴呆症から認知症に名称変更されました。
■これからも寿命は伸びるので、2人に1人がなってしまう勢いです。
解決策:この点については、圧倒的な解決策はありません。しかし長くなった人生を自覚し、次の原因2と原因3に注力し、体と脳の耐用年数を90年・95年まで伸ばしていくことを考えれば対策は手にできます。
原因2.「血糖値スパイクを繰り返すようになった」ため
■1食あたり糖を40g(角砂糖13.3個分)以上とると、食後血糖値が急上昇する血糖値スパイクを起こし、AGE(終末糖化産物)と活性酸素を発生させ、血管を傷つけ、体と脳の細胞を壊していきます。美味しくなった食品はそのぶん糖質が増え、うどん1玉でも53.6g(17.9個分)なので、誰もが血糖値スパイクを起こしてしまうのです。
■血糖値スパイクを繰り返す生活を続けていると、その結果、糖尿病およびその合併症だけでなく、別名 “脳の糖尿病” と呼ばれる認知症を引き起こしてしまうことを最新科学が突き止めています。このことをNHKが初めて報道しました。
解決策:血糖値スパイクを抑える方法については、当社HP「新しい取組み/桑快100」をご覧ください。
原因3.「社会的認知の障害に陥りやすくなった」ため
■これまで認知症の症状として、「記憶の障害」が重要視されてきましたが、新たに『社会的認知の障害』が基本項目に加わりました。社会的認知とは、社会において、人とのコミュニケーションや相互理解を築くために必要な認知機能のことです。
■20年以上の時間をかけ、MCIの段階を経て発症する認知症の芽は40代・50代から出ているのですが、このミドル世代を取り巻く社会環境が、『社会的認知の障害』を引き起こさせています。MCIの兆候をチェックしてみてください。
【ミドル世代を取り巻く社会環境】
人口減少(市場規模縮小による売上減少)、AI化(定型的な仕事の機械化)、グローバル化(地球規模での競争)といった経済全般に加えて、役職定年(55歳前後で一兵卒に、モチベーションの消失、お荷物化)、年金支給開始年齢の引き上げ(70歳や75歳へ引き上げ、将来不安)、働く期間の長期化(75歳まで働く時代に、でも65歳超えて職がない)、孤独化(書籍も出ている「世界一孤独な日本のオジサン」)・・・。
解決策: MCIの兆候に少しでも思い当たると危険信号です。新しい社会環境に適応しなければなりません。そのためには、これまで慣れ親しんできた価値観や慣行、考え方、コミュニケーションのしかた、働き方・生き方を見直し、自ら変わっていく。そして人生を楽しむことです。
繰り返しますが、認知症の前段階であるMCIを防ぐことが、人生をリスクマネジメントし、人生を健康経営する要諦です。