■女性がいつまでも輝くために

男女雇用機会均等法が1986年に施行され、オフィスの風景は様変わりしました。コピー取りやお茶くみが女性の仕事とされた時代は過ぎ去り、寿退社という言葉も聞かなくなりました。

そして、あれから32年。もうすぐ「定年女子」が誕生します。定年退職というと、男性の専売特許でしたが、均等法施行年に就職した4大卒女性も50代半ば。定年女子がかつてない規模で誕生するのは、日本のビジネス界で初めてのことです。

ところで、時代の転換期に向き合っている彼女たちは、これからのライフプランをどのように描いているのでしょうか。この描き方次第で、60歳からの人生をプレミアムタイムにできるかどうかが決まります。

「定年女子は再就職先がなかなか決まらない」ことが予測されています。その理由として、例えば次のようなことが挙げられます。

1.ロールモデルがない
男性と違って、定年退職後の女性モデルがいない。そのような先輩や知人がいないので相談できない。自分の将来像が見えないためか、男性中心の企業文化に辟易したのか、65歳までの再雇用制度を利用するのも男性の6割程度にとどまる。

2.オールド・ボーイズ・ネットワークから外されている
男性メンバーの間で暗黙のうちに築かれている非公式な人間関係で、社内派閥・飲み仲間や業界の勉強会等々。男性がこういった人脈を通じて情報交換したり、仕事を斡旋してもらうのに対し、女性はこのネットワークから外されているので再就職先を見つけにくい。

でも女性はたくましいのです。定年を待たずに、“65歳以降も働ける会社” にさっさと転職するとか、“起業” に踏み切る人が増えています。起業の場合、子育てや介護といった生活ニーズに根差した「生活関連サービス」や、前職で身に付けたスキルを生かした「教育分野」が多いようです。

それに、女性起業家の8割が個人事業主。手元資金の範囲で開業、男性のように格好つけたり、グズグズしないのが強みです。大きなリスクを背負わない分、それだけ収入も少ないのですが、これからの長い人生を考えたり、生涯現役を視野に入れるのであれば、年金以外に10万円確保すれば十分。堅実で計画的です。

大事なのは、いかに長く稼ぐか。しかも働き方は融通無碍に、できれば生涯現役を目指す。それに、稼ぐという意識と行動が「体と脳の耐久力」を高めて、健康寿命をしっかり引っ張り上げるので一挙両得です。

女性の皆さん、40代や、50代の早いうちに、これからのライフプランを大胆に描くことをお勧めします。

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