■先のことは分からないでは済まされない
国が2040年までに、健康寿命=「周囲の介助なく生活できる期間」を3年伸ばす方針を固めました。最新データ(2016年)の健康寿命は、男性72.14歳/女性74.79歳で、平均寿命との間に、男性8.84年/女性12.35年の差があります。
この差は、“医療・介助の期間” で、この期間に使われる医療・介護費がどんどん膨れ上がっていて、このままでは国は持たない。そのため、団塊ジュニア世代が65歳以上になって高齢者数がピークになる2040年までに、健康寿命を3年伸ばして、要介護期間を縮小させようとしています。
でも、おかしいと思いませんか。健康寿命を3年伸ばしても、平均寿命はそれ以上に伸びるので、その差は縮まるどころか、逆に拡がってしまいます。
私たち中年世代は、「生まれてから何年生きるか」の平均寿命ではなく、「これから何年生きるか」の平均余命で考えるべきです。その観点では、現在でも、65歳まで生きれば(病弱の人も含めて)、女性の2人に1人、男性の4人に1人が90歳以上生きます。
それに2040年は22年後のこと。人生100年時代の中で、男性は95歳/女性は98歳まで生きても不思議ではありません。そうすると、健康寿命との差は20年となり、人生のラスト20年を、例えば認知症や寝たきりといった要介護状態になって、不本意に終えることになってしまいかねません。
「それはあくまで平均であって、自分はそうならない」と言う人もいますが、それではリスクマネジメント失格です。ポックリ死ねたらいいですが、医療技術や延命治療がますます進化して、そう簡単には死なせてくれません。
誰もが、「健康寿命+20年」をわが人生の達成課題として本気で取組まなければならないのです。当社も新たな取組みとして、この解決方法の一つを提示したいと考え、準備を進めています。