■今の50歳は、40年前の35歳
バブル崩壊後の「就職氷河期」や「失われた20年」を経験した団塊ジュニア世代も、40代後半、まもなく50代に突入します。
少し上には、大量採用されたバブル世代がいて、なかなかポストにありつけない。少子化の影響で自分たちより下の世代の不足で、30代や20代の業務をカバーせざるを得ない。何と理不尽な・・・。
これから団塊ジュニア世代が50代になると、職場の高年齢化はますます加速され、50代が最大のボリュームゾーンに。どうなることやら・・・。
私が就職した1977年は、ほぼ20年続いた高度経済成長のあとでした。オイルショックや円高といった厳しい経済環境でしたが、それでも職場は、20代の若手、30代の中堅、40代のベテランが、バランス良く多く配置され、50代や60代は少なかった。
そのため終身雇用や年功序列がしっかり機能し、それなりに頑張れば、30歳手前で主任、30代半ばで課長補佐、40歳前後で課長になれました。
ところが団塊ジュニア世代は、そうはいかない。40代になっても名ばかりの肩書で、部下がいないとか、実質的にヒラ社員とそう変わらない。雑務が多いのに、数字だけはキッチリ追及される。
これでは、過労による健康障害や、ある日突然、通勤途上で倒れることにも。最近では、「健康経営」に力を入れる会社が増えていますが、内情は大変なのです。
1977年から40年経ち、日本人の平均年齢は32歳から47歳に。人生の期間は、当時の70年から100年になろうとしています。まるで変わってしまった。
そして苦しい状況に置かれている団塊ジュニア世代のトップバッター(1971年生まれ)が47歳。つまり団塊ジュニア世代は、日本人のど真ん中であり、自分の人生のど真ん中。日本人の中心として、わが人生の本番を威風堂々と生きてほしい。
では、これからの人生をどう描くのか? どう仕事をして、どう生きていきたいのか。今が、自分に問いかける絶好のタイミング。あとに続く世代のためにも、存分に本領を発揮してもらいたい。
それに50歳は、40年前の35歳のようなもの。まだまだひよっこ。年齢観をまるで変えて、これからの時代を考えると、「95歳まで生き、75歳まで働く」ということが自分ごととして、腹に落ちてくる。
そうすると、『職業寿命+10年、健康寿命+20年』という達成課題が見える。課題が見えれば、解決方法に意識が向く。75歳になるまでどう働くか? 75歳から95歳までどう健康寿命を伸ばしながら人生を楽しむか? 最適解は必ずある。
時代を読み、想像力を発揮して、近未来の自分の姿を見る。そこに至るまでのロードマップを作り、目の前に拡がる道を整えていく。このような人が、人生の経営者だと思うのです。