■第二創業が求められる時代

さまざまな不具合が起こり、困難が待ち受ける中で、日本という船が座礁せず航行するには、船そのものを作り直さなければならない時期に来ています。乗組員の平均年齢も、前回の東京五輪では20代後半でしたが、今ではほぼ50歳です。

人生の長期化による「高齢者の更なる高齢化」、少子化による「現役世代人口の縮小」が進み、どうやって乗組員の生活と安全を確保していけばいいのか。それに、自国ファーストの旗を高く掲げる米国と中国という巨大な船の間に挟まれて難しい舵取りも求められます。

企業や社団法人も同じです。これまでのビジネスモデルや仕組みが通用しなくなり、第二創業の時期に差し掛かっています。創業後の存続率は、1年後60%、3年後35%、5年後15%、10年後5%。なんと20年後は0.3%、30年後は0.025%です。

組織30年説も納得できるし、30年以上の組織は大したもの。現在の組織を立ち上げて、ここまで存続させてきた先達に敬意を表すると共に、ここは創業時の志に立ち返り、断固とした意志と明快な戦略を持って、第二創業しなければなりません。

今は存続か衰亡かの分岐点です。問題の先送りをする余裕は、日本にも、組織(企業、社団法人)にもありません。消えて無くなくなってから新しく組織を設立するのは大変困難なことです。体力が残っているうちに「果断」に対処するのが鉄則です。

1.対象者
まず、「自分達は誰を相手にするのか?」を真剣に考えなくてはなりません。時代が大きく変わってきている今、過去の相手を追いかけても意味はありません。目を向けるべきなのは、現在、そしてこれからの相手です。

2.視座と視点
そして、その相手から自分達を見る「視座」(視る座標)と「視点」(視る観点)を持てば、原因の輪郭が見えてきます。一番のキーワードは、「相手が欲しているニーズに応えているか?」ということです。これがうまくいっていない原因の中核なのです。

3.ニーズ
では、「相手の欲しているニーズは何なのか?」ですが、それは時代環境が作ります。そのため、現在、そしてこれからの時代を読み取れば、ニーズはあぶり出されてきます。相手の真のニーズを掴んだら、それに応えていくだけです。

原因は組織に、組織を構成する自分達自身にあるということをしっかり認識できれば、打開策を見出すことは可能となります。あとは決断と実行あるのみです。

ところがどんな組織においても、それを阻む「壁」が必ず現れます。「わざわざ第二創業するメリットなんて自分には感じられない」「組織が無くなっても仕方がない、このままでいいんじゃないか」「自分は逃げ切れる」と本心では思っている人達です。

第二創業を成功させる最後のキーワードは「果断」です。果断とは、「総論賛成、各論反対」とか「反対はしないが、積極的に進めようとしない」人達に左右されず、一気呵成に進めることです。時間と労力を「一点突破、全面展開」に注ぎます。

トップリーダー達が果断に進めれば、賛同者は自然に増えていきます。2割が積極的に動けば、全面展開が達成できます。でも逆に、時間を費やしているうちに、2割の反対者が出て来ると、第二創業は頓挫し、組織は衰亡へ向かって一直線です。

当社も、第二創業期に差し掛かった企業や社団法人から、講演やコンサルを依頼されますが、「打開策を見出し、錦の御旗を掲げて果断に進めると、壁はいつの間にか積極的な賛同者に豹変している」のです。果断の凄みを実感させられます。

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