■『学び直し』で、人生を取り戻す
「負け組」と言われた人たちの中で、60歳以降、充実して生きている人たちがいます。自分のやりたいことに没頭し、皆、表情がイキイキしています。
一方、「勝ち組」に属した人たちが、必ずしも幸せではありません。居場所のない淋しい老人、自分をコントロールできないキレる老人になっています。地位や権力があっただけに、失った落差が大きく、価値観の転換が図れないので
す。
人生をゲームとすれば、ゲームは同時並行で幾つも行われます。一つのゲームは負けても、別のゲームで勝てるチャンスが常にあります。
「出世ゲームの勝ち組・負け組」と「人生の勝ち組・負け組」は、実はしばしば一致しないのです。
40代後半がビジネスパーソンの分かれ道――「出世ゲーム」で負けが見えたら、「別のゲーム」に移行する準備に取り掛かります。そうでないと、お荷物社員となり、軽度うつになる人もいます。
生涯現役の視点で、「次のゲームは?」「やりたいゲームは何か?」を考えれば、今やるべきことが見えてきます。勝ち組や若手にはできない仕事――勝ち組からは見えない全社的課題、すぐに成果が出ないため若手が敬遠する仕事…。
次の選択肢は、再雇用・再就職・起業と多様ですが、独立業務請負人(インディペンデント・ コントラクター)の働き方で取組めば、「価値観の転換」やスキル改造、「生き方の変更」や新たな人脈形成につながり、未来が開けます。次のゲームに備え、準備にいそしんでいる自分を好きになります。
人間、何が幸せかといえば、「やりたいことをやる」「好きな仲間と」「いつまでも」ということではないでしょうか。飽きることはないし、とにかく楽しい。
大事なことは、勝ち負けでことが決まると思う自分を脱皮し、勝ち負けに我関せずと思う自分になることです。ゲームのルールを自分で根本から変えてしまうのです。
前回書いた、経産省若手30人の提言「人生100年。定年後35年の生き方を考えよう」に対し、45歳から60歳の間に、『学び直し』を行うことで対処します。
45歳超えて、誰もが「このままじゃやばいな」という予感があります。「やばいよね」と笑ってすますか、「たそがれてる場合か。喝!」と言って、あっぱれ!な自分に変身するか、それはあなた次第です。
『学び直し』の内容は次回に。