■45歳からの働き方(2/2)

前回では、45歳から60歳が『第一ピラミッド』(現在の会社員生活)を完成させる方法として、自分の中にある「起業精神」もしくは「お役立ち精神」を掘り起こして働くという道があると考えました。

どちらの働き方も、自分の市場性が高まっていくのがポイントです。言い換えれば「労働市場で選ばれる力」「市場で稼ぐ力」に磨きがかかるのです。

多くの人は、60歳定年後に再雇用や転職をしますが、それは自分を労働市場に売りに出すという市場的な体験です。起業はなおさら市場に晒されます。

そのためにも「市場が求めているものを提供する力」を身に付ける。そのことが『第二ピラミッド』(二つ目の人生)を構想する基盤を作ります。

そこで今回は、『第二ピラミッド』を構想していく手順を考えます。

1.岐路:積極的に下りる

会社員生活は頂上に至ったことを認識し、現在の山を下りることにシフトチェンジします。ここで大事なのは、自覚的に新たな役割や存在意義を打ち出すことです。さまざまな思いは割り切って、『第一ピラミッド』を下りることに積極的に取組みます。

まずは、役職や給料が上がるという従来のキャリアアップの道から離れてみることです。そして、組織の端の方に行って組織全体を見てみる、顧客の現場に出向いて生の声を聴いてみる。そうすると、今まで見えていなかった新たな働き方、組織のあるべき姿、市場の求めるものが見えてきます。

『第一ピラミッド』を下り切る頃には、「会社の看板や名刺で仕事をしている」「社内経験しかないと自己評価が甘くなる」といった状況が払しょくされています。

2.総括:自己を肯定する

うまくいかなかった経験や挫折も含め、丸ごとの自分のこれまでの人生を自己肯定します。そうすれば、済んでしまったことや悩んでも仕方のないことにこだわる自分から脱却できます。この自分棚卸しや荷下ろしの方法については別の機会に。

そして45歳も過ぎれば自分の性分や長所・短所はもう変わりません。そうであるからこそ折り合いをつけることです。性分を生かし長所を伸ばすことに専念すれば、「何を捨て、何を残すか」を選び取れる自分になっていきます。

3.展望:二つ目の人生を構想する

キャリアを再定義して、パートナー・家庭人、一個人・一社会人、そして一職業人として、それぞれの役割に取組むことを再考します。人生全体を通じてキャリアを積み上げていくとなれば、今まで描いてきた成功者像も、ゴールの姿も変わってきます。

人生塞翁が馬、苦あれば楽ありです。自分なりの「人生の成功者像」を描けば、2回目だからこそ「こう生きたい」という人生が見えてきます。そして60歳からの人生をシナリオ化(言語化)することに取組みます。試行錯誤や訂正は何度もOKです。

人生の移行期、そして時代の移行期にも遭遇する45歳から60歳は焦りやストレスを伴いがちです。でもここが踏ん張りどころです。人生の地図(キャリプラン)を大ぐくりで考えると、あとはリラックスして楽しんでやることもできます。二つ目の構想には、そういったメリハリが大切です。

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