■コロナ前の「歴史」を知る(4/4)
これまで3回にわたって、コロナ前の状況をピンポイントで見てきました。
●団塊の兄姉世代や団塊世代に起きている想定外の異変 ●役職定年ができた経緯と定年消滅時代の到来 ●従業員に対する企業の役割の変容と経済産業省の後押し ●社会/企業/個人それぞれに立ちはだかる課題とその解決策 ●個々人がコロナ後を生き抜くための鍵
とりわけ折り返し地点を超えた中高年にとって、コロナ後を生き抜く “鍵”(「人生のコントロール」&「生産性」)を手に入れることは、後半人生を充実させるために不可欠です。
その意味でも、大手企業の中高年社員には、社会の人材という視点と、大手組織の年長者という自負を持ち、中小企業や成長産業に転進することで、この鍵を手に入れて欲しい思います。そうすることが自分にも/企業にも/社会にも三方良しで、日本の成長戦略となる・・・。
でもそうだと分かってはいるが、一歩踏み出せていないのが、コロナ前の状況でした。しかしコロナ後は、社会も経済産業省も、本気になってその後押しと評価をします。
大手企業から、制度や人員の体制が整っていない中小企業や成長産業に転進するのは不安ですが、物事は考えようです。「環境が整っていないのなら改善すればいい。大手で経験を積んだ自分が整えればいい。伸びしろは大きい」と考えれば、明日への希望が湧いてきます。
事業構造やビジネスモデルの転換、組織や人員の新陳代謝を迫られる大手企業は、図体が大きいだけに転換や新陳代謝は大変ですが、この事態に手を差し伸べ、恩返しするのが年長者の役割であり、後進に先行モデルを示す時です。幸い、転進する際の手当て面は整っています。
一歩踏み出し、人生をコントールするようになれば、充実度も生産性も高まり、「居場所のない定年後」や「望んだものとは違う人生の終末」という異変だって追い払うことができます。