■「やりたいこと」をやって生きる
人生、何が幸せかといえば、「やりたいことをやる」「好きな仲間と」「いつまでも」ということではないでしょうか。やりたくてやるのだから、没頭できるし、飽きることもないし、とにかく楽しい。
そして、これからは、やりたいことを仕事の中に見出していかないと、生き残れないかもしれません。というのは、AI(人工知能)やロボットが飛躍的に進化して、人がやっている仕事の半分を持っていくからです。
2013年オックスフォード大学のオズボーン準教授が「雇用の未来」という論文を発表し、AI・ロボット脅威論が広まっています。その後2015年に、日本でも野村総合研究所がオズボーン準教授と組んで同様の分析を行いました。
2人に1人が仕事を失う未来がすぐそこまでやって来ているのです。
でも視点を変えれば、AIやロボットが持っていくのは、人が「やりたくない」「煩わしい」と思っている仕事からです。そんな仕事を代わりにやってくれるのだから、有難いことです。
言い換えれば、私たちは「やりたいことを仕事にする」という時代のキーワードを意識して、これからの仕事人生を考える必要があるということです。
もう一つ、仕事人生を考える上での大きな変化があります。それは、「75歳(あるいは80歳)まで働く時代」が迫ってきているということです。
そのうち、高齢者は75歳からと再定義されるでしょうし、そもそも「年齢のことを気にしない時代(年齢フリーの時代)」になろうとしています。
そこで、40代・50代の皆さんに提案したいことが2つあります。
1.「やりたいこと」をあぶり出す。なければ、作っていく。
仕事にできる「やりたいこと」があれば、すぐチャレンジしましょう。現在の会社でやれるのであれば良し、どうしてもやれないのであれば転職か起業を考えるべきです。やりたいことを仕事にできるチャンスを先送りするのはもったいないです。
「やりたいこと」はあるけど、スキル不足等でまだ仕事にできそうにないのであれば、今から準備することです。平日の夜や休日を有効活用することです。
「やりたいこと」がなければ、これから改めて、色々なことに興味を持ち、知らないことを知り、やりたいことを見つけることです。現在の仕事の中からも見出すことは可能です。嫌だなという思い込み、面白くないという先入観を取り除き、他人事の要素を取っ払って自分事(起業家精神)に切り替えれば、再評価や新たな発見ができるはずです。
2.これから20年のシナリオを考えてみる。
45歳であれば65歳までの、55歳であれば75歳までの仕事人生です。ざっと大ぐくりのシナリオを描き、それを実行しながら書き直していけばいいのです。20年というスパンで考えれば、「やりたいこと」が射程内に入ってきます。
20年後の自分と対話できれば、そこに向かうための工程表が浮かび上がってきます。そうなると、会社や世の中を見る視点、今後の仕事人生の視野がこれまでとは違って見えるのではないかと思います。
定年や転職という転機は、誰にもやって来ます。そんな「人生の儀式」を段取りよく、気分良く執り行うためにも、シナリオ作りに取り掛かってください。早ければ早いほど選択肢が増えますし、自分の描いたシナリオで生きる面白さも早期に味わえます。