●変えられないから後悔する。でも
研修で「過去と他人は変えられない」、でも、「未来と自分は変えられる」とお話します。他者との関わり方の講義です。
けれども、過去は変えられることもあります。起こった事実はずっとありますが、解釈次第で変えることはできます。私は大病をして不自由な身になりました。客観的に見れば不幸なことです。
でもそのお蔭で、新たな出会いがあり、新しい仕事も手にしました。だから不自由ではありますが、不幸ではありません。起こった事実をどう受け止めるかで、現在とそれに続く未来は変わります。
そうは言っても、変えられないモノもあります。それは、自分の考え方が未熟で起こしてしまった過去です。今の自分から見たら、「考えていなかったな!」とか、「なんでもっと真摯に対応しなかったのか!」というものです。これは解釈を変えられません。
なので、中高年の悩みは深いと思うのです。立ち止まって自分の人生を振り返ってみる。今の自分が頑張っていればいるほど、若かりし頃の自分の考え方や生き方に目を覆いたくなります。まさに、“若気の至り” なのです。
実は、私は寿命が伸びて本当に良かったと思うのです。若気の至りを変えることは無理でも、それを覆い被せてしまえる行動は出来ます。
昭和の終わり頃は人生70年でしたが、平成の終わりの今は人生90年です。新しい元号では95年になっていくでしょう。
野球でいえば、9回が12回になるようなもの。ルールが変わってしまうのです。たとえ今が9回の裏であっても、まだ3回分の攻撃の時間があります。そして3回分の守備の時間もあるのです。
そこで意味を増しているのが、「学び直し」です。若気の至り、後悔を払拭できる自分を作っていけばいい。こうありたい自分を作っていけばいいのです。時間は十分あるのですから。
引退だとか、もういい歳だとか言っている場合ではないのです。