●悩みは尽きないけど人は成長します
ある企業の部長から「若い人たちは育っているけど、中間層が今一つ、どうしたらよいか?」とざっくり聞かれました。
事情を聴くと、部長の下、つまり課長が機能していないということのようです。課長の下の係長たちは、その下の部員ともうまくやっていて、信頼もあるけど、課長は周囲からの信頼も低く、課の中で浮いているという話でした。
組織において課長の役割はとても大きいと思います。プレイングマネジャーも多く、職務と部下指導、職場の管理監督に追われ忙しく働いています。責任も重くなっています。
でもそれ故、周囲からの協力を一番求めているんだと、私は思うのです。振り返りをする機会と場も必要なのです。そのフォローは誰がするのが適任なのか? 私は部長にその役割を担って欲しいと言いました。
人はみな成長します。けれども、組織に十分慣れていて、様々な経験を積んでしまった中間管理職は、放っといては育ちません。若い人とは違うのですから、経験相当以上の指導をしていかないと停滞します。
人は初めてのことにチャレンジすると、成長します。でも中間管理職は、例えば課長職という初めての職務を、今までの経験で「この程度」と独りよがりに納得してしまう傾向があるように思えます。
ここは時間に任せるのではなく、上司が自分の信条や思いを基に、手を掛けて仕事を通して指導して欲しいと思うのです。
成長しない人はいません。上司から見て、物足りない人材でも、自分の部下ですから、自分の責任で育成してほしいと思うのです。年齢と経験と重ねた人材ほど、実績と自負心のある人材ほど、育成・指導が必要だと思うのです。
それに彼ら、彼女らは若い人と同じように、あるいはそれ以上に成長を望んでいると思うのです。