曖昧な言葉・曖昧な解釈

国の膨大な借金、中国との関係、沖縄の基地問題、先行き不透明な政治の世界…等々。

私達の国には気掛かりなことが山積しています。その中で一番の問題は「内需不振」(=国内経済の縮こまり)だと思っています。

個人消費が落ち込み、百貨店の売り上げは軒並みダウン。中国の観光客に活路を見出しているだけでは埒が開きません。昔は百貨店に行くとお財布の紐が自然にゆるくなったものですが、今は買いたいものもあまりない。お金を持っている人達や高齢者も、将来への不安もあるので、貯金する。つまりお金を使わない。将来に向けてお金を保全する。これでは内需拡大は到底望めません。

将来不安や閉塞感というマイナスの気分が「内需不振」をもたらしているのでしょうが、でも「内需不振」の根本の原因は、消費パワーの大きい「現役世代の絶対数の減少」と消費パワーの小さい「高齢者の絶対数の激増」のダブルパンチだと思っています。この流れは今後団塊世代の一次退職で勢いが付きますので、強烈です。

この実態をしっかり踏まえて、政府も企業も適切な方策を取らない限り、例え、好景気の波が来たとしても、好景気の波に乗る人(現役世代)の絶対数が大きく減少しますので、今後ともずっと内需は縮小し続けていくのでは…と心配の種は尽きません(当社は小売・サービス業の多くの会社からお仕事を頂いています)。

と、こんな風に色々考え心配している風ですが、実は私も「曖昧病」に取り付かれています。何となく全体をサラリと理解しているだけで、根本のところが曖昧なのです。言葉の理解も使い方も。

例えば、「現役世代の絶対数の減少」と「高齢者の絶対数の激増」を、「少子高齢化」という言葉で表現する“習慣”が私にも世の中にも身に付いています。

少子化=生まれる子供の減少と、高齢化=高齢者の増加を合体した「少子高齢化」という言葉を習慣的に使っているうちに、「子供を増やせば高齢化に対処出来る」と思い込んでしまっています。

「現役世代の絶対数の減少」という厳しい事実が、「少子高齢化」という曖昧な言葉の陰に隠され、物事の本質が見えなくなり、結果的に問題の先送りや次世代へのツケ回しになっているのだと思うのです。

事実をキチンと捉えて、理解するためには、しっかり考えることが必要です。でも大事なことは正しい事実であり、それを表面的になぞったり、分かり易く部分的に表現する言葉ではありません。

漢字を合体して作った流行語や分かった風な和製英語に私達は曖昧な解釈をし、分ったつもりに成っていることが沢山あるのではと思うと怖くもなります。

 

 

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