「知らせが無いのは良い知らせ?」
日々忙しくしていると、単純に連絡をするのを忘れることがあります。先方だって、こちらの要望に応えられない時は返答が遅くなることもあります。断りきれず、浮世の義理で受けた仕事に気が乗らず、進みが悪いこともあります。こちらの返答が気に入らなくて連絡が来ないこともあるでしょう。計り知れない理由がそこには存在しているはずです。
ですから連絡が無いことを気に病んでも仕方ないのですが…、頭では分っていても、気になってしまうのが私の性です。パソコンメールが普及し始めた頃は、何故かしら、夜中に悪い知らせや返答が届きました。「悪い知らせは夜伝わってくる。油断大敵」と騒いでいたこともあります。
パソコンメールが一般化する前は固定電話が日頃の通信手段です。取引先からの電話で上司に聞かせたくない話は、声を小さくしてひそひそ話していました(これはビジネスパーソンとして失格ですが…)。もっと前は、ボーイフレンドからの電話はコードを目一杯引っ張って、家族の耳に届かないようにもしたこともあります。
でも今は携帯電話も含めて、個人的な連絡もかなりし易くなっています。誰とでも何処でも気軽に連絡し合えます。故にです!うんともすんとも連絡が無いのが大いに気になってしまうのです。相手はそんな私のヤキモキなんかがあることを思ってもいないでしょうが、私にはあるのです。
家人は「そんなに気になるなら、自分から連絡すればいい」と言いますが、それも何だか躊躇します。
そこで題目の「知らせが無いのは良い知らせ」という古人の教えにすがっています。「きっと頑張っているんだ、うまくやっているんだ、良い方向に進んでいるんだ。だから連絡が無いんだ」と。
思えば、諺や格言には随分救われています。思い出せば、結婚して直ぐの専業主婦の頃、掃除三昧の毎日に飽きて、故事来歴や四文字熟語、格言や諺を収集したことがあります。言葉の面白さに時間を忘れていました。もう一度言葉に興味を持ってみるのも面白いかもしれません。やきもきした気持ちの解消にもなりそうです。