古くて新しいマナー研修

私が研修業界に入った頃は今で言うフライトアテンダント(客室乗務員)、あの当時はスチュワーデス経験者の「マナー研修」が盛んでした。筆頭はJAL卒業生の奥谷禮子さん率いる「ザ・アール」。どこの企業に営業しても、新人研修のマナーはザ・アールが担当していました。

当方はスチュワーデス出身の講師は居ませんでしたので、何とか独自の良さをアピールしようと必死でした。大手派遣会社の子会社でしたが、企業経験豊かな講師陣を編成し、「ビジネス経験豊かな講師が、実際のビジネス場面に即した、ビジネスの基本を教えます」をキーワードに随分健闘したものです。

しかし段々、世の中のマナー研修に対する考え方が、「形を整えているだけで、そこに心がない。形骸化している」というものに変わってきました。それにバブルの頃は、自由にさせることが柔軟な発想に繋がるという考えの下、随分、マナー研修は受注が少なくなってきました。

しかし必ず世の中には振り戻しがあるものです。バブル崩壊後は、ビジネスの基本を重視するという掛け声の下、研修の中で定番として復活しました。マナーはビジネス社会を円滑に回すためのルールです。お辞儀を45度にするとか、電話での決まり文句を覚えるという表面だけを見てはいけないと思います。

ビジネスで関わる相手に敬意を払うという意味もありますし、余分な動きをしないで済むという理的な面もあります。知らないで行動するより十分熟知して、TPOに合わせて活用すれば、必ず自分のためになるものです。

マナーの根本は相手を気遣う礼儀の心です。マナーに囚われ過ぎることはありませんが、やはり人は自分に対して敬意を払う行動が出来る人間に対して好意を持ちます。初めて会う人であれば尚更です。マナー研修は形を整えますが、それは心を表すためにです。相手に対する敬意が形になり、それが相手に認知されて初めて完成です。

自分の能力など中身で勝負したいと思うなら、まず形を整えて、それからしっかりと自分の熱意や思いを伝えることだと私は思っています。高級スーツに身を包み、上等な部屋に佇んでいても、言葉使いや態度行動にその人の歴史は必ず現れます。人に対して自分をどう見せたいのか?それを考えることもマナー研修の一環だと思います。

 

 

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