OJT・指示の仕方

管理職対象の研修をしていますと、部下や後輩に対する様々な要望が出てきますが、一番多いのは、ホウレンソウが無いということです。

ホウレンソウは「報告・連絡・相談」の略ですが、私が若い頃は、「ホウレンソウをしっかり食べて(=自分のものにして)ポパイの様に強い企業人になりましょう」とか言われました。管理職が仕事の進み具合を知るために、ホウレンソウを強く欲する気持ちは分りますが、部下や後輩からするとホウレンソウをしなくても良いと思ってしまうことが多々あるようです。

問題は上司や先輩の指示の出し方に潜んでいるように思います。指示を出すことは難しいことではありません。多少トンチンカンな指示の出し方でも、部下や後輩は上司や先輩の意図を何とか汲んで仕事を進めます。しかしキチンとホウレンソウをさせたいのなら、やっぱり確実な指示の出し方と、そのコントロールが必要です。

まず、指示や説明をしたあとは、確実に仕上がるまで経過を見守ることが大切です。そのまま放っておいたり、指示した後に、事細かに口出ししては責任感や自発性が育ちません。部下や後輩を育成する指示の出し方には基本的な5つのポイントがあります。

 

1)経過を見守る→指示を理解しているかどうかの様子を見ながらアドバイス等の声を掛けます。

2)時々に報告を求める→特に複雑な仕事、長期に亘る仕事は、あらかじめ節目を設定しておき、経過報告を求めます。

3)フォロー体制を敷く→自分が居ないときでも困らないようにしておきます。例えばAの件なら○○さん、Bの件なら××さん、とそれぞれの業務に精通している担当者を教え、質問しやすい道を付けておきます。

4)相談を受けたら→正解を教えるより、部下や後輩が正解を導き出させるような質問を投げ返すよう心掛けます。勿論その前提には忙しくても常に声を掛けやすい自分を周囲に見せることも大事です。

5)率先垂範を心掛ける→『行い』はどんな言葉よりも雄弁です。まずは自分がホウレンソウをやってみせることです。上司や先輩はホウレンソウの不足を嘆きますが、部下や後輩はホウレンソウをしても反応してくれない上司や先輩が多いと反論します。「この程度のことは、言わなくても分るだろう」という意識が蔓延してしまった職場では、ホウレンソウは育ちません。上司、先輩が自ら動いていくことが大事です。

 

ホウレンソウは仕事の基本であるだけではなく、昨今難しいとされている上下間のコミュニケーションの基本でもあります。上下の人間関係の中で、ホウレンソウさえしっかり出来れば、人間関係もOJTも上手く進められると私は思っています。

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です