七夕様

七夕様です。子供の頃には、この季節の変わり目の「節句」には、家族が揃って、季節に応じた植物を愛でたり食物を食したりして邪気を払う習慣があったものです。3月3日は桃に蓬餅、5月5日は菖蒲に柏餅、7月7日は竹に素麺…。その感覚を思い出して、今日の昼は素麺を堪能しました。

ところで新暦の今日7月7日を七夕とすると、本当に雨の確率が高いですよね。関東はまだ梅雨の最中ですから、天の川は中々見ることが出来ません。というか随分昔に出張先の大分で見たきり、もう20年ぐらいお目にかかっていません。子供の頃は短冊に願い事を書いていましたが、今はトンとご無沙汰です。それでも「雨だから彦星と織姫は会えないのかな」等と空を見上げて思ってしまいます。

かなり昔、遠距離恋愛をしていましたが、こんなこと書くと真っ只中の人には叱られるけど、やっぱり距離の長さは、色々障害を起こしました。
数ヶ月振りに会うと、これまでの自分を振り返ってあれこれ話さないと相手に通じないと思い込み、一生懸命でしたが、この振り返りが曲者でした。振り返った私の日常は、何処か作り物の匂いがして、彼の話も同じで…、一緒に同じものをリアルタイムで見られない難しさに最後はついに負けました。仕事もそっちのけでする恋愛はどうかと思いますが、やはり一緒に居るというのが恋愛には大事だと24歳の時に確信しました。

その確信から30年、いつも一緒に居たのは…、「仕事」でした。いつのまにか仕事が生活と人生の真ん中に鎮座していました。それはそれで幸せな人生でしたが、この頃少し仕事に対する見方が変わってきました。それは、仕事は自分らしく真っ直ぐに生きていくための手段であり、勿論生活の糧を確保する手段ですが、最終目的ではないからです。

そう考えるようになったら、仕事の別の面が見えてきました。仕事が生活と人生の全てではないことに気が付くと、冷静になり、自分の仕事の仕方のマイナス面が見えてきます。講師という仕事柄、また経営者であるという思い込みで、何でも自分でやらないと気が済みませんでした。その「働き方」が、周囲に余計な仕事を増やし、負担をかけていたのです。

今は、周りの人達との協働を意識した新たな「働き方」を模索中です。「働く」とは皆がそれぞれの立場で「はたらく=“はた”を“らく”にする」という意味だとも言われます。今夕は、曇空の天の川を仰いで「人生を全うする。人を幸せにする働き方をする」と誓いたいと思っています。

今は蛍の時期でもあります

宮本輝の「蛍川」

蛍の乱舞

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