●漠たる不安の基(もと)

 

40代の頃、男性の先輩が飲み会の席で、「俺には漠たる不安がある」と言うのを、よく聞きました。

 

その人とは一緒に仕事をしていませんでしたので、状況は詳しく分かりませんが、漠たるという言葉が耳に残っています。そして疑問も。

 

不安というものは元々「漠たる」モノであるから生じると思っていたので、敢えて「漠たる」と言う意味が分かりませんし、そんな風に思ってしまったら、毎日が憂鬱になるのではないか?と感じていました。

 

でも現在では、「漠たる不安」を理解できるようになっています。

 

不安は正体が見えないから、そしてその原因は、そのまま正体を探ろうとしないから起きるのであって、苦しくても正体を見つければ、解消するモノです。

 

そのため40代頃までの私は、正体を暴くことに邁進していました。それは今も続いています。

 

けれども、「漠たる不安」に襲われて飲み込まれそうになることが、この頃多くなってきました。その原因は、年齢のせいでも、世の中のせいでもなく、自分を100%信じられなくなっているせいだと思うのです。

 

人材育成の世界に入ってもう30数年経ちました。色々なものが随分見えてきていますし、知識も深まっていると思います。たくさんの経験も積んできました。でもそれが、そのことが「漠たる不安」を産み出しているようなのです。

 

私の結論は「漠たる不安の基は、同じことをし過ぎていることにある」です。勿論長年に渡って、一つのことをずっと行っている人もたくさんいます。それでも自分を振り返ると、このままずっと同じことをしなくてはならないことに不安を感じているのです。

 

年齢を重ねてから新たなことにチャレンジするのは大変なことだ、と思います。でも今は、「漠たる不安」を解消するために、生活を、仕事を、そしてその内容ややり方を変えるべきだと思っています。

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