●女性活用研修始動のきっかけ
男女雇用機会均等法が施行された1986年、前にいた研修会社の上司から「女性活用のための研修を本格的に作ろう」と提案がありました。
当時自分は再就職した研修会社で、伸び伸びと男女関係なく仕事をさせてもらってましたので、特段女性活用に興味があったわけではありませんでした。大学卒業時に入った会社も、女性の管理職が当たり前にいましたし、活躍している人も多かったです。母も働いていましたので、女性でも仕事をするのは当たり前と思っていました。環境も整っていると思っていました。
でも先輩や上司に連れられて様々な会社へのヒアリングや調査に参加してからは、頑張りたくても会社の環境がそれを許さないという人にも会いましたし、女性は腰掛だからと断言する管理職もいましたし、女性は男性に比べて能力が低いと決めつけている男性にもたくさん会いました。
当事者の女性でも、早く結婚して仕事を辞めたいという人も多かったです。
女性活用と言っても難しいと躊躇することも多々ありました。
その時に上司が「企業は男性への研修や育成は山ほどしている。でも女性には入社時のマナー研修だけという所が多い。伸びしろで言えば、育成されていない女性の方が断然たくさんある。」と言ったのです。
この発言が私が30年に渡り女性の研修に拘っていきているきっかけです。人には無限の可能性があります。チャレンジしたいと願う人たちの、それを後押しする存在になりたいと思いました。