部下指導研修

このプログラムは管理職対象の定番研修です。山本五十六語録にある「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば、人は動かじ」という部下指導の本質論から、少し前に流行っていた「コーチング」に至るまで、様々な手法が開発されていますが、受講者の興味のポイントは、如何に配下の人間を上手く使うかにあるようです。

研修は「もつべき考え方」と「具体的なスキル」を様々な手法を通して習得します。昔も今もその基本となる考えや内容は変わりませんが、その中でも、部下への対応方法は時代環境によって深く静かに、そして大きく変化していると思います。

 

私が若い頃は、「四の五の言わせずに、上司の言う通りにやらせる」という指導方法が主流でしたが、徐々に、「上司と部下の間には対話が必要不可欠であり、対話を重ねることで、部下の言い分も理解し、その上で部下に上司の言っていることを納得させないと指導は上手くいかない」という考え方が主流になってきました。

次には、「上司が言っていることを理解させるのではなく、部下に“気づき”を与える指導が大事だ」ということになってきました。「誰もが今までの経験の中で自分なりの答えを自分の中に持っている。故に、上司はそれを本人に気づかせる指導をすることが必要だ」という話です。

 

確かに人間は自分で決めたことは大事にします。人から押し付けられるより真剣にします。でも私は、「部下の持っている答えを引き出す」ということを上司が実現するのは難しいなと思っています。世の中には必ず、あらゆる場面で「相性や組み合わせ、バランス」があります。相性の悪い関係の中で、コミュニケーションを重ねることが必ずしも良い結果を生み出すとは思えないのです。

部下に「やるべきこと、その期限、ゴール(着地)の具体的イメージ」(=“仕事”)を与えて、させる。それだけで良いのではと思います。上司と部下は二人三脚であることは必要ないと思います。組織において最も大事なことは、目標に対して成果を挙げることです。上司が部下に対してキチンと“仕事”を与え続ければ(これが最も重要ですが、中々出来ていないのです)、部下指導は細かくする必要はないのでは?とも思います。

人は必ず自分で工夫して、育つものです。上司に一番必要なことは部下に「キチンと“仕事”を与える」ことです。これこそが、部下の「働く環境を整える」ことの本質ではないか?!部下指導研修の際に、上司自身がまずこの点に深く“気づく”ことが先決ではないか、と考えてしまいます。

 

 

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