比べられないもの

テレビを観ていましたら、首から下が麻痺している方が口で筆をくわえて花を描き、そこに自分の心情を詩にして書いているというニュースがありました。詩は前向きな感謝の思いで溢れていますし、花の絵は明るい色彩で描かれ、とても大きなハンディを持っている方のものとは思えない作品であり、素晴らしい絵と詩です。

そのことを知って、「私より大きな後遺症を持っていても逞しく生きている人はたくさんいるんだ、私も負けないように頑張らなくては」とその人と自分を簡単に比べて思ってしまいますが、そんな単純な比較は相手に失礼なことであり、自分のためにもならないことに気がつきました。

前にも書きましたが、病気や事故による後遺症は同じ診断を受けても人様々ですので、比較して一喜一憂することは愚の骨頂なのです。頭では分っているのに…全く修行が足りません。

同じように人と比べても仕方の無いことが世の中には沢山あります。例えば、容貌、家庭、仕事、充実感、満足感、悲しみ、等々数えてもきりがありません。比較して判断するのは簡単ですが、それでは自分を見失います。

私が倒れる前に書いた本のタイトルは「自分建立(こんりゅう)」ですが、この建立には「自らを作り上げる」「自分に自信を持つ」という意味を込めています。それでもこのタイトルを決めた当の本人が、病気に関しては人との比較で惑わされていますので、建立するのは至難の業だと思います。それでも確固たる自己を造ろうと励むことは、人との比較に悩んでしまうことへの一番の解決方法だと思います。

 

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