●若い世代の指導

 

春の訪れと共に、今年も新入社員が職場に登場する季節です。管理職にとって、若い世代の指導は年々難しい問題になってきています。

 

今はGNP一辺倒からGNHも重視していこうという時代です。GNHはGross National Happinessの略で国民総幸福量のことです。幸福とは何かという根源的なテーマや、どうすれば幸せになれるのかを考える新しい時代が始まっているように思います。

 

時代の空気を察知したのか、幸福かどうかの判断を、若い世代は何よりも友人関係に見出しているようです。そしてその友人達から承認されることを大事にしています。生きていく為に働くのではなく、仲間や友人を作るために働いている者も多いそうです。

 

そうなると、年の離れた先輩や上司は関係のない存在で、彼らや彼女たちが自分をどう思おうと気にかけないのです。それどころか、その様な存在の人間に組織の基本の「基」を指導されても響きません。心から納得できないし、腹には落ちてきません。

 

「芸能人のどんな人が上司だったらいいか? 理想の上司は?」とかのアンケート結果がネットを賑わしています。見てみると、「頼りがいがあり、自分に親身になってくれ、相談にも気軽に応じ、理解があり、大らかな人・・・」等の言葉が並びます。

 

そんな上司になれる自信は中々ありません。自分と仕事で精一杯で、理想の上司を演じる余裕なんて持てないのが現実です。

 

でも、ここで大事なことは、部下から好かれようとすることを思い切ってやめてみることです。幸福感を重視する時代だからこそ、そんな思いをきっぱり捨ててみるのが賢明だと思うのです。

 

部下指導を行う際に、円滑な人間関係を築くことは勿論必要ですが、円滑な人間関係を進めるために、相手に好意を持つことも、相手から好意を持たれることも、実は必要ないのです。

 

管理職の役割は組織の方針を全うし、組織の目標を達成すること。そのために部下指導をします。役職は単なる機能であって、部下との人間関係は別のもの。そこに、「感情」という制御出来ないものを 持ち込むのは止めてみたら良いと思うのです。

 

最初が肝心です。長い職業人生の基礎を築くため、幸福の本質を考えるためにも、「上司の知識やスキルを学び取ってやる」「機能としての管理職を利用してやる」というスピリットを持たせ、目の前の仕事にまい進させれば良いと思うのです。

 

如何でしょうか?

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