●意見する難しさ

 

研修の中でもよく話題になりますが、部下指導は難しいです。

私自身も、部下指導の研修を良かれと思って行っていますが、本当に効果があったのかと悩みます。

 

指導をするという自覚は管理職にはとても重要な意識ではありますが、結果がついてこないことが多々あります。

 

指導の中でも難しいのは、本人に変わってもらいたい、成長してもらいたいと期待する時に行う指導です。

 

上司としての自分の中には、「こうあるべきだ」がありますが、

それがこの部下にも当てはまるのか?

変えることが部下にとって良いことなのか?

という迷いが生じます。

 

そして、それ以上に難しいのが、伝え方です。

 

こちらが全面的に正しいとして、意見を言ってよいのか?

部下の現状もある程度以上理解しているということをどう分からせるか?

どう伝えるか?

を考えるあまり、余計な前置きが多くなることもあります。

 

技術的なことには、一定の正解というか到達レベルがあるので、何が不足しているかを指摘しやすいですが、心持ちや考え方、日常の行動などを意見するのは難しく感じます。

 

その結果、あまり部下にモノを言わなくなる傾向が管理職に増えているように思います。

 

部下から嫌われたくないし、本人の持っている可能性も否定したくないしという気持ちもあり、温かく見守るのが一番のように思えてきます。

 

何か問題が起きたら、その対処に、上司として全力投球すればいいかと思えてきます。

 

でもです。それでは上司としての責任を果たしていません。日々、人は悩み行動しています。自分だけでは解決できない問題に直面しています。それを察知して、役立つ存在であるのが上司だと思うのです。

 

自立させることは必要ではありますが、そのための様々な経験を前もって、意見することが上司の役割だと思うのです。

 

でもそのように意識しても、今日もモゴモゴはっきりしない意見を言っている自分がいるはずです。恥ずかしいと思うでしょうが、でもそれが部下に役立つ、指導がちゃんと出来る上司になるための道のりだと思うのです。

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