部下指導研修…続き
「昨日の話は分った。確かに、部下に“仕事”をキッチリと与えることが上司のやるべきことの基本だ。でもそうは言っても部下指導の効果的なポイントも教えて!」と部下を持ち、日々悩んでいる友人から携帯にメールが入りました。
部下の指導方法は色々ありますが、やはり「率先垂範」が基本中の基本だと思います。昨日も少し書きましたが、「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」ということは人を動かす基本だと私は思っています。この言葉を私なりに解釈していきます。
まずは1)「やってみせる」。勿論、そもそも上司自ら率先してやっていることが前提なのは言うまでもありません。ここで大事なことは、やってみせる「内容」です。上司はつい自分なりのやり方(応用編)をやってみせるのですが、見せるべきは部下の誰もが出来る「基本のやり方」(基本編)です。基本を繰り返し叩きこむことが大事です。基本の考え方に基づいた基本のやりかたをしっかりとみせてあげて下さい。
次に2)「言って聞かせる」。これは何故これをするのか?この行為にはどんな意味があるのか?どうしてこの様なやり方が良いのか?やった後のゴール(着地)のイメージはこうだ!ということをキチンと説明して、「納得感」を部下に与えることです。説得しようとするばかりで、部下の納得が得られていないケースが多々見受けられます。人は曖昧なことには一所懸命に取り組めません。「取り敢えず」というスタンスは禁物です。
3)「させてみせる」。これは文字通り、部下に一人でやらせてみることです。ここで大事なことは、途中で口を挟まず、最後まで一人でさせることです。心配のあまり、過剰に失敗を恐れるあまり、手と口を出すと、部下は萎縮しますし、上司に頼る癖(依頼癖)が付きます。ストレスを招くかもしれませんが、我慢のしどころ、ここが上司の正念場です。部下を信頼し、その一方で、しっかりと見守ることが重要です。
最後は4)「誉める」ですが、これは誉めるだけではなくて、注意することも含みます。大事なことは部下のしたことに対して、決して放置しないということです。必ずフォローをして下さい。注意したり、アドバイスしたりした後に、少しでも、また何がしかでも、部下の良い所(長所、得てている所)を見出して、そこをピンポイントで誉めて下さい。
上司からの適切な「誉め」は部下の“やる気の基(もと)”、“元気の元(もと)”になります。
部下を苦労して動かすぐらいなら、全部一人でやる方がマシだという意見もありますが、部下を持つ身に期待されていることは「人を動かして成果を挙げる」ことです。相性や性格に拘らず、業績を上げていく自分のチームの一員として、活用していくことを考えることが大事です。
時代のキーワードは「元気」です。元気とは「もとのき」と書くように、人にはもともと元気があるのです。やる気もあるのです。それを引き出す最大のポイントは、その人の良い所を的確に見出して、誉めて伸ばすことです。