上海バンスキング

今から20年以上前に六本木にあった小さな劇場「自由劇場」で初めて妹がこの芝居を観ました。演じる役者がジャズ演奏もするという華やかさと、知らない時代の上海の摩訶不思議な雰囲気が感じられる舞台に強く惹かれ、是非観なさいと、その頃芝居には全く興味の無かった私を連れて、妹はもう一度観るほどの熱の入れようでした。そして私自身が魅了されました。

今回倒れる前に再演を知り、妹がチケットを購入してくれました。でも実は芝居の日には仕事が入り、本来では行けなかったのですが、倒れたので、その仕事は別の講師にチェンジしました。それで今回、久し振りに観ることが出来たのです。ある意味ラッキーでした。

妹と二人だけの外出は初めてなので(いつもは車椅子操作も上手な力持ちパートナーが一緒です)、少しお互いに緊張しました。でも大きな問題も無く、休憩を入れて4時間という長丁場も、楽しさで無事に過ごせました。

芝居の面白さや懐かしさもありましたが、それ以上に強く感じたことは、役者にも私達観客にも月日の流れは着実にあったということです。吉田日出子さんをはじめ役者さんは皆年齢を重ねて、それぞれの人生が顔や体ににじみ出ていました。もちろん私と妹にも。

何だか無性に愛おしくなりました。そんな時間を、「上海バンスキング」は与えてくれました。

 

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