●過去の遺産では前進できない
先輩や後輩が実施している講師勉強会に、不定期で参加しています。参加者が自分がこれから担当する研修の一部を披露して、意見交換を行い、その内容の精度を向上させています。
みんな熱心に発表をし、研修の腕を上げています。聞くほうも、より役立つコメントをしようと一所懸命です。5時間弱のこの時間は、頭を使い考えます。身に付くことも多いのです。
でもです。私は時々? いや頻繁に過去の実績(遺産)でコメントを発します。遠慮もあるのか、周囲は「流石のコメントとですね」と言ってくれます。
けれど、自分では分かっているのです。これは過去の遺産であり、今の斬新な意見ではないことを内心では…。それでも実際のところ、これに意識を向けることは中々辛いことです。
ビジネス社会にいると、過去の遺産で十分対応できることも多いのですが、それでは前に進めません。体験したことや蓄積したことは重要ではありますが、新たなものを入れていかないと停滞すると思うのです。
自分の経験・知識や価値観をいったん捨てるアンラーンをして、相手から学ぶというオープンマインドを持つことが必要です。「学ぶ」とは、価値観も含めて、自分の知らないことを知るということだから。
それで不定期ではありますが、「学ぶ機会」を得たのです。企業であれば定年退職してもおかしくない年齢ですが、新しいものを得ることこそが、明日の自分を作り、過去の自分をずっと輝かしてくれます。
立派な経歴や過去の遺産で生き続けることも出来ますが、しかしそれでは、足踏みなのです。もったいないです。
人は生きている限り、悪意を持って相手と接しないのを大前提として、忌憚のない意見を交わし、批判をも受入れ、新鮮な驚きもあり、そういったなかで学び、吸収し、共感し、喜び続けることが幸せなんだと思うのです。