「奈良薬師寺の思い出」

奈良国立博物館「なら仏像館開幕記念特別展」(本館:至宝の仏像、東新館:仏像修理100年)で数多の国宝・重文作品(飛鳥鎌倉時代)の圧倒的な迫力と質に堪能し、その後、奈良東大寺の大仏様の慈顔に魅せられました。そして翌日に向かったのは平城遷都前の白鳳時代に建てられた薬師寺です。

今年11月から平成30年まで10年間本格的な解体修理に入る東塔を見るためです。その間はすっぽり覆いが施され、全く見ることが出来ません。今回特別に10月末まで初層(一見6層に見えますが3層造りです)の扉が開けられ、非公開の内陣の天井絵(宝相華文様)が拝観できるのも魅力でした。車椅子でも基壇の上に昇れ、首を突っ込んで中をじっくり見ることが出来ましたが、背中に照りつける猛暑は半端でなく、汗だくの見学でした。

 

↑左:特別に扉が開けられた東塔の前で
↑右:境内の北のはずれにある玄奘三蔵院から見た薬師寺(広い境内です)

東塔と西塔の間に位置する竜宮造りの金堂に入るとひんやりと厳かで、当時は「燈火が無くても金色に光り輝いた」と伝えられる薬師三尊像(薬師如来と日光・月光菩薩)のお姿も見ることが出来ました。

薬師如来はまたの名を医王如来と言い、私達の体と心の病気を救ってくださる仏様です。その美しいお姿は世界最高の仏像だと言う方も大勢いらっしゃいます。私はここで、リハビリの地道な継続を誓いました。

薬師寺というと中学の修学旅行で法話を聞いた「高田好胤管主」のことを思い出します。「お坊様なのになんでこんなに話が上手いんだ」と感嘆しました。「人にものを伝えるのには、内容の面白さと話術が必要だ!!」と子供心に深く感じました。私の講師稼業の原点でもあります。

古都京都も魅力的ですが、大和奈良には更に深い「古(いにしえ)の魅力」が存在するような気がします。日本でありながら、遠くシルクロードの香や文化を色濃く感じさせてくれます。今回は限られた時間の中で、車椅子での点から点への移動でしたが、次回は自力でバスに乗り、もっと多くの奈良を満喫したいと思いました。

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