コミュニケーション・アサーティブ

コミュニケーションの基本は共通理解とか相互理解と言われています。自分を相手に正しく正確に知ってもらい、相手のことも正しく正確に理解することです。けれどもこれはとても難しいことです。
永年連れ添った夫婦でも、仕事のパートナーでも、親子でも正しく性格に相手を理解することは難しいのです。

ただ、人は「自分がよく知っている人間には寛大で優しくする」という傾向があります。突き詰めたコミュニケーションは難しいとしても、自分のことを相手に知ってもらうことに大いに奮闘してみるのは大事だと思います。その時に力を発揮するのが「アサーティブ・コミュニケーション」という考えとスキルです。

「アサーティブ」とは自己の意思・意見・気持ちを素直に相手に伝えるとともに、相手の主張をきちんと受け止め、葛藤を恐れず、両者が理解・納得で出来るように、意思疎通を図ることです。発展的・協調的に自己主張を行うことで自他とも納得・理解の上で協働を図るコミュニケーションです。

 

そして意思疎通を図る時に人は3つのパターンを持ちます。

1.非主張的コミュニケーション
これは自分を抑えて相手を立て、相手の言い分を全面的に受け入れて自分の言い分を主張しない状態です。相手にとって気分が良い状況かもしれませんが、言い換えれば「自分を他人に知らせていない」状態を作ることです。つまり相手に自分を隠しているのです。腹を割っていない感じを相手もやがては気が付き、良い関係は生まれません。

2.攻撃的コミュニケーション
これはまず自分の「言いたいこと」を相手の状況を考えずに言うことです。言い換えれば「相手の気持ちを考えない」で一方的な対話を進めている状態です。自分は言いたいことを主張してスッキリしますが、他者の意見も聞いて自分の考えを深化させるというには程遠い状態です。

3.アサーティブ・コミュニケーション
そこで理想とされるのがアサーティブ・コミュニケーションです。何故これだけが英単語のままかと言いますと、元々、アサーティブは「自己主張」と訳していたのですが、これだと少し自分勝手にするというニュアンスが感じられるということで、アサーティブとそのまま使っています。これは「相手の言い分にも耳を傾けつつ、自分の気持ち、意見を率直に述べる」状態です。

 

自分も相手も言いたいことをきちんと言うということです。とても前向きなコミュニケーションです。しかし難しい。ましてや相手が自分と異なる意見なのに、あたかもこちらもそう思っているでしょう的に相手が言ってきた時に、そうではないと伝えるのには、多大な労力が必要です。相手に嫌われたくないという気持ちも働きますので、難儀です。

しかしそれを乗り越えないと、相手との良い関係は築けない…。ここら辺が私のジレンマでもあります。これから一緒に頑張ってやっていこうと決めた矢先に、相方の私が後遺症を持ってしまった家人は周囲の人に「大変ですね」と同情的によく言われます。家人は、同情を込めた表面的な言い回しにカチンとくるのか、或いは本当にそう思っているのか、「何も大変なことなんてありません」とか「どうってことない」ということを相手に強く主張します。私はと言えば、「確かに家人は大変です」と何でもかんでも受け入れて、自分達が考えていることを一つも言わずに引きあげます。

脳梗塞で後遺症を持った人間との生活がどんなものかを、世の中に知らせたいと思っているのに、まだ修行が足りない私達です。言葉も態度も考え方もバランス良く使えないと上手く出来ないのがコミュニケーションであり、自分の思惑通り相手が動いてくれないのが世の中の常です。人と関わって生きていくのであれば、この壁を乗り越えないとならないようです。

 

 

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