凛々しい舞台人に感激しました

日曜日から関西に旅行していました。神戸、京都、大阪の三都で美味しいものを沢山食べて、友人と一緒に楽しい3日間の日々でした。美味しいもの紹介は明日からします。本日は今回のメインイベントである「宝塚観劇」で感じたことを書きます。

東京から一緒に出かけた友人は30年来の熱烈な宝塚ファンです。嘗ては、憧れの宝塚スターにお弁当を作った経験もある筋金入りです(お弁当の差し入れは特定の限られたファンの間でしか出来ません)。彼女の薀蓄を聞きながら阪急電車に揺られ宝塚大劇場を目指しました。今回の演目は雪組の「ロジェ」。これは宝塚所属の演出家正塚晴彦氏が、宝塚生活18年の男役トップスター、水夏希のサヨナラ公演のために書きおろしたミュージカルです。

退団公演ですので、ファンの熱の入れようも凄いものがありますし、水夏希にも一般人には分らない心持があったと思います。初めての宝塚でしたが、ずっと最後まで舞台と一体化出来て、楽しい二時間半でした。何よりもこれで舞台を去る水夏希の凛々しさが胸にジーンと来ました。

舞台ですから彼女一人が作っているわけではありません。一緒に退団する女役トップスターの愛原実花(先日亡くなったつかこうへいさんのお嬢様です)や雪組のメンバー、舞台を作り上げた沢山の人達がそこには存在していたはずです。

でも舞台は、水夏希が確かに一人で責任を持って廻していました。自分をどう見せるか、ファンは何を望んでいるか、どうすれば喜ぶか…、それを十分知り尽くした主役が舞台に君臨していました。様々な批評があるでしょうが、責任と自信を持って舞台に立っている水夏希は本当に素敵な存在でした。言い訳をしない清々しさの塊のような存在に感じました。

旅行のチケットを受け取る段階から初めに言い訳が先行し「夏休みですから、お客様が殺到し混雑しています。お時間が掛かります」と、まるで殺到した客のせいのような窓口の方の説明や、「新幹線の多目的室を使えるかどうかは、許可を取るのに時間が掛かるのです」という30分何の説明もないままに立ちん棒で待たされた挙句の車掌さんの言い訳。

他人ばかりではなく、前も書きましたが「病気で体が不自由だから、この程度しか出来なくても仕方ない」という自分自身の言い訳、また一般的には、「政治が悪い」「会社が、上司が悪い」という意味も考えずに発する言い訳…、環境や仕組みのせいにして、自分の責任で動かないことに対する言い訳。

言い訳が氾濫している時代に、自分の舞台を、責任を持って多くの客やファンに提供している水夏希は本当にカッコ良かったです。私は彼女の、宝塚のファンではありませんが、とても貴重な経験でした。一緒に行ってくれた大阪の友人と家人、そして宝塚に行ってみようという気持ちにしてくれた東京の友人に感謝です。「ありがとう」。

宝塚大劇場の前で

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