●定年まで頑張るということ
私が新社会人になった頃は、定年は55歳でした。
入社面接の時に「定年まで御社で働きます」と言ったら、殆どの企業は「この会社ではそれは無理ですよ」とか、「いずれお母さんになるんだからずっと働かずに子供を当社のフアンに育ててください」とか言われました。
私の時代は「専業主婦になる」のが当たり前のようでした。その中でも、「難しいこともたくさんあるでしょうが、頑張ってください」と言ってくれた会社に決めました。
実際に入社すると、そこらじゅうに年配の女ので性が働いていました。営業部で断トツの活躍をされている方もいました。若い会社でしたので中途入社の方がほとんどでしたが、とてもやりがいを感じました。
それなのに若気の至りで、結婚退社を選択してしまいました。「働く」ことを真剣に考えていなかったのです。退社した一番の理由は「楽になりたい」です。結婚を決めたのもそうだったのです。「時間に束縛されずに好きなことを思いきりしたい」「責任から逃れたい」・・・、反省です。
ところが一年もしないうちに、「世の中と関わりたい」「家族以外からも必要とされたい」「自分で稼ぎたい」・・・、色々な思いが出てきました。
そこで初めて、「定年まで働く」という選択を考えるようになりました。若い頃は勢いがあるから、「自分がこれからどのように仕事人生を送るのか?」なんて考えもしません。ひたすら夢や理想の人生を思い描きます。
でも今振り返ると、「仕事人生はイコール人生そのもの」だと思うのです。やり直すことができるからこそ面白く、選択肢もまたたくさんあるのです。そして「人生に定年なんてない」と思うのです。
でも何処かで「立ち止まってじっくり考える時間、そういった時期」を意識して持たないと、先に行けばいくほど不安になり、先細りするのです。
定年まで働くことは「この会社を全うすることではなく、仕事と人生のタッグマッチ」です。そして人としての究極の仕事は「しっかり生きること」であり、「自分の命を全うすること」だと思うのです。だから自分の中で定年はないものにすることが大事だと思うのです。