忌憚の無い意見
「私の企画についてどう思いますか?『忌憚の無い意見』を下さい」と言われて忌憚なくズバッと自分の意見を言えますか?
私は中々言えません。相手の考え方、背景、企画の真意…、色々正確に掴まないと「忌憚の無い意見」は出せません。それにプラスして、「忌憚の無い意見」を私に求める相手の意図、目的、要望…、なども気になります。
更に相手との今後の付き合い方まで考えてしまい、がんじがらめな状態になります。とても即座に「忌憚の無い意見」は出せません。家人はそんな私に「思ったことをそのまま言えばよい」と言いますが、とても、とても無理です。
しかし、人は「忌憚の無い意見」によって大きな気付きを得る場合もあるのです。聞いた時は戸惑ったり、怒ったり、嘆いたりしても、よくよく落ち着いて考えると、「成る程、そういう見方は大事だな」と納得することがあるのです。
そういう意味では、「忌憚の無い意見」を言ってくれる人は「重宝」しなくてはいけない人です。読んで字の如く「貴重な宝物」ですが、決して封印するのではなく、開封してじっくり観察して意味があると思うのです。
「忌憚の無い意見」は正しい意見である必要はないのです。正解は求められていないのです。多様な意見を貰うことは、自分の考えや企画を様々な角度から検証する手段となるのです。だから求められたら、家人が言うように思ったことを伝えればいいのです。
勿論、「忌憚の無い意見」を求める人の中には、自分のイメージしていること以外の意見を聞くと無視する人もいます。修行が足りない人です。だからそんな人のことは忘れてしまってよいのです。と、この様に書いても、「忌憚の無い意見」をスッと出せないで躊躇している私がいます。
人生はまだまだ修行です。