●無理は禁物

 

この頃、女性の管理職も多くなってきました。以前のように、人数合わせでの昇格が少なくなったことにも一安心です。人事の評価は難しいですが、なって然るべき人がなっているのは、喜ばしいことです。

 

以前のように、戦略的に、もしくは鳴り物入りでなるのではなく、通常の人事として昇格するのは、喜ばしいことではあるのですが、それ故に、多く起きている事態があります。

 

「女性管理職の生きにくさ」は前からも感じていましたが、この頃はとみに、その生きにくさが “深み” を増しているように感じます。一つは、「本人の肩に力が入り過ぎてしまう」ことに起因しているように思います。もう一つは、「周囲の過度の期待」によるものです。

 

管理職は万能ではありません。そうであるにも関わらず、管理職はかくあるべきという「役割期待のフレーム」が、誰の中にも各々しっかりできているので、少しでもそれと違うと、周囲の人達から不満が噴出します。

 

本人も、自分の中の「役割期待の枠」に懸命に応えようともがいたり、自身が描いている「管理職像」になれるようにとあがきます。これは中々辛いことです。

 

チームをけん引するときに管理職に必要なモノは、「共通目的」と「協働意欲」と「納得感」だと、研修でいつも言っています。この3つが欠けると、チームではなくグループになってしまいます。

野球でもサッカーでも、〇〇チームと言っても、〇〇グループとは言いません。チームビルドされていないと、プロフェッショナルとして戦えません。

 

同じように、チーム全員が「共通の」目的を持って働く、「お互いに」協力して力を発揮する、全てのことが「納得の上で」動く、ということに、管理職は注力しなければなりません。

 

特に、「納得感」を醸成することは、女性のチームを引っ張る時に必要不可欠です。この納得感を醸成するためには、自分の言葉できちんと伝えることが大事です。

 

自分の考えを自分の言葉で伝える、それに対して、部下の考えや意見を引き出す。そして納得の上で、部下の持ち味や力量を引き出す。これは、管理職としての基本の基ですが、この初めの一歩が踏み出せていないようです。そんな簡単なことがと思えるでしょうが、意外とできていないのです。

 

もう一度言いますが、管理職は万能ではありません。現状も簡単には変わりません。その中で、部下と共に成長するのです。自分一人が「肩に力を入れて」進む船ではないのです。無理は禁物です。

 

 

 

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