●「出来ない理由」は時に安心に繋がる

「出来ない理由より、どうしたら出来るかを考えることが大切」と研修では言っています。「それが組織と自分の成長に繋がる」と。確かにその通りなのです。

でもです。存在や役割に煮詰まってしまった若手や新任の管理職を見ると、いつもいつも前向きに対応・対処しなくてもいいんだよと伝えたくなります。

私が脳梗塞を発症した53歳の時、講師として「その先」が不透明で、「この道をいつまで歩くんだろう?」「どのくらい歩いていけるんだろう?」と自問自答していました。

そこに降って湧いたような、左半身不随を引き起こした病。絶望に陥りましたが、反面これで「自分の先行きが見えた」とも思いました。そうなると、新たな人生の目的が見えてきたのです。

そして、講師稼業がとん挫するであろう「出来ない理由」が現れ、私の中で明快に出来たのです。これはとても安堵感を与えてくれました。

そう思ったのに、10年経った今でも講師稼業を行っています。日々悩みながら、限界に挑んでいます。でも53歳の時に感じた「先行き不透明感」という不安はありません。「出来ない理由」を手にしたからだと思うのです。それが安堵から安心に育ってきているのです。

時には前向きに行動する自分を拒否するような出来事も、前につんのめっている自分の前に立ちはだかる壁も良いものだと、皆さんに伝えたいのです。