●仕事との折り合いをつける

 

ほとんど例外なく、組織で働いている人には、辞める日がやって来ます。それは役員だとしても同じです。自分が長年慣れ親しんだ仕事が、心血を注いだ日々が過去になる時が訪れるのです。

 

でも、そこで人生は終了ではありません。これから長きに渡って生きなくてはなりません。

 

ところが現実には、仕事がイコール自分の人生という方も多いのです。「組織を離れた自分を想像できない」と言います。

それは研修の中でビックリするほど耳にする言葉です。

 

若い世代は、承認欲求症候群に陥っている、承認である「いいね!」の後ろ盾がないと不安になり、とかく自分を過剰にアピールする傾向があると言われています。

 

それは中高年も同じかもしれません。自分の居場所と承認が無くなることが怖いのです。

「昔話の世界に生きている先輩諸氏とは一線を画したい。ああはなりたくない」と思いながらも、同じになりそうな現実に恐怖感を感じているのです。

 

でもです。人間には無限の可能性があります。人生は無限ではないけど、新たな道を作ることも、別の扉を開けることも、そこに意識を向けさえすれば、出来るはずです。

 

私たちは社会に出る前にはたくさんの時間がありました。就職活動も数多くしました。万全とはいかないまでも、準備にたっぷり時間をかけました。そして満を持して、組織の扉を開けました。

 

ところが、組織の扉が閉まる時は突然訪れるわけでもなく、たくさんの時間があるのに一切の準備もしようとせず、思考も停止させてしまっている人が多いのです。前方を見ようとせず、足元だけをまんじりと見つめているのです。

 

そこに、ありきたりのお仕着せなライフプラン研修とかを受けさせられ、妙に納得してしまい、でも腹に落ちたとか、自分の覚悟が固まったわけではないので、研修の場を離れてから戸惑ってしまうのです。

 

一度きりの人生です。私たちの前には長い道のりがあります。「今度はどんな道を歩もうか。どの扉を開けようか」と楽しまないともったいないのです。

いつも次のステージのことを考えて下さいとは言いませんが、自分の人生と仕事を、じっくり考える機会と場を提供できるような研修を作っていきたいと強く思うこの頃です。

 

 

 

 

 

 

 

 

Follow me!