●好きでなくても
よく「研修という仕事は好きですか?」と聞かれます。研修業界に入って33年。ずっと続けているから少なくとも嫌いではありません。
でも続けてきたのは、他にしたいことがことさら無かったからかもしれませんし、一度始めてしまったので途中下車が難しかったのかもしれません。
何が言いたいかというと、仕事は好きでなくても続けられるということです。「好きなことを仕事にしたい」「自分にあった仕事を見つけたい」と若い人は言います。「持っているスキルを次の職場でも活かしたい」「第二の人生は好きなことをしたい」と中高年は言います。
でもです。働くのであれば全てが仕事です。仕事に初めから好きなことを求めるのは無理だし、自分の能力を活かすことも難しいと思うのです。
『仕事』が存在するのは、自分とは違う誰かが、もう既にその仕事を作っているからです。それを後発の自分が変えることも、自分の好きなようにするのも難しいことだと思うのです。
自分の好きなことをしたいのなら、ゼロから自分で『仕事』を作っていくしかないと思うのです。でもそれには発想力や独創力が必要だし、持久力や忍耐も必要です。
働くのは何のためでしょうか? お金を稼ぎ、自分や家族が穏やかに生活していくためだと思うのです。だから仕事に拘ることは無いと思うのです。目的は仕事をするのではなく、最後まで幸せに生きることです。だから『仕事』の中身に拘らなくてもいいと私は思うのです。
好きでなくても仕事は選べますし、続けられます。事をすることが目的ではないからです。だからどんな仕事をしているかではなく、何のために仕事をしているのかを大事にして欲しいと思うのです。