●活用から活躍へ
30年少し前、私がこの研修業界に足を踏み入れたとき、時代はまさに「女性活用を考える」でした。企業の中で十分に育成されていない女性社員を育てることは、もう十分育成されている男性社員を育てるより効率が良いし、成果を上げやすいのではと言う論理です。
それでもこの時代女性社員に問われるのは、決まって「仕事と家庭を両立できますか?」という言葉でした。
結婚で仕事が疎かになるのは困るという話です。男性社員には問われない質問です。
家具メーカーの研修をしたとき、女性の営業は高速を使ってはいけないとか、精密機器メーカーでは男性は自分の席でお茶を飲んでもいいけど女性は給湯室でとか、自動車メーカーでは女性の部長に対して「社長のお気に入りだから部長になった」とか・・・何を考えているんだ!!と怒り心頭の話を目の当たりにしました。
でもです。時代は女性活用から女性活躍という言葉が当たり前になろうとしています。言葉の言い回しだけでなく変わってきている風を感じます。まだまだ耳を疑うことは沢山ありますが、自分の人生行路を自信をもって決められ、責任と誇りを持てる仕事を一人でも多くの女性が見つけられることを祈っています。