「役割観と居場所を持ち、最後まで仕事人生を全うする」ことは、45歳以上の中高年の会社員にとって一番望むことです。しかし時代はそれを許さなくなっています。
企業においては、組織と人員の新陳代謝の悪化が大きくなり、役職定年を迎えるバブル世代の50代が新しい取り組みの妨げになり、若手のやる気や希望を奪っています。当の50代も将来に対する漠たる不安を抱え、これまでの仕事人生で培った経験に基づいた自信を見失い、失速の一途に陥りつつあります。
「75歳、80歳まで働く。さらに生涯現役を目指そう」という社会に向かう中で、個人も企業も、進むべき方向性や距離感を掴めず、本来持っている誇りと希望を失っています。ここでもう一度原点に立ち返り、「仕事人生とはどういうことなのか」の問いに現実解を求め、「キャリアを自ら築いていく人材」になって欲しいと考えます。
そのための取り組みは次の3点です。
50代の人材を広く社会で活躍できる『社会人材』にする(「会社人材」からの脱皮)
国が推進する「労働の流動化」に大手企業は先駆けて取り組む(「先手」を打つ)
社会の人材として生きていける思考と行動を身に付ける(「新たな羅針盤」を持つ)
転職や転進などの新しい行動を起こすためには、まず「意識変容」と、納得して行う「行動変容」が不可欠です。次のステップに進むためには、安心はもちろん大事ですが、もっと大事なのは、自らに期待ができるかどうかだと私たちは考えます。
「75歳、80歳まで働く」という、誰もが向き合わなくてはならない新たな課題が出現している。そして今までの常識だけに囚われず、自らの経験だけに縛られず、最後まで役割と居場所を持ち、社会に貢献することの価値を手に入れなければならない。そのためには、新たな「時代観・人生観・仕事観」を学ぶ姿勢を忘れない。人には幾つになっても無限の可能性があり、新たな一歩を踏み出すだけの力があることを信じる。追い込まれる前に先手を打つ。愚痴や落胆、後悔は未来への妨げとなり、自分が持つ才能をつぶすことになる。