●明日はわが身、その繰り返し

 「どうせ自分がやるしかないんでしょ」。打ち合わせで、彼はこの言葉をよく口にしました。

 

それは、あるプロジェクトのミーティングでのこと。彼は45歳。プロジェクトメンバーでは真ん中の年齢でした。50代のメンバーがあまりにも呑気で、動きが悪いことをいつも嘆いていました。

 

「何故、この人たちがメンバーなんだよ!この人たちがいるから若手は苦労している」。毎回そう言いながらも、中心になって頑張っていました。若手を引っ張り、とても行動的で、周りのメンバー(特に自分より若い者に)に仕事を割り振り、プロジェクトの成果を上げることに一所懸命でした。

 

アドバイザー役の私も、彼の頑張りは評価していました。でも、「先輩に対するモノ言いや態度、考え方は改めざるを得ない時期がいずれ訪れるだろうな」と思っていました。

 

その時期が思ったよりも早くやって来ました。

日頃から目を掛けていた若手から、「○○さんがいると全てがうまく回らない」「私たちはもっと全員で話をし、納得して物事を進めたい」と糾弾されたのです。

 

 

人は自分が頑張れば頑張るほど、動きの悪い年長者を疎ましく思い、「自分はこうはなりたくないし、絶対ならない」と思うようです。

 

でも、それはいつか行く道であるのです。組織で経験と年齢を重ねることは、ある意味、自分の立ち位置が見えなくなることではないかと思います。

 

45歳ぐらいからを対象に中高年塾を始めたことのきっかけです。

 

 

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